(『天然生活』2017年9月号掲載)
断るときに添えたい「大和言葉」
心苦しいのですが
誘いを断るときや、意に添えないとき、気がとがめるお願いごとをするときなど、最初に「心苦しいのですが」といえば、‟申し訳ない”という思いや、‟迷惑をかけてすまない”という気持ちが相手に伝わります。
立て込んでおりまして
断りたい相手に対して、やんわりと拒絶するフレーズ。「忙しいので」というより露骨にならずに、その場を収めることができます。「手が放せませんので」や「取り込み中で」という言い回しも、同様に使うことができます。
これに懲りずに
相手の期待や誘いなどにこたえられなかったとき、「どうか悪く思わずに、今後ともよろしく」という気持ちを表すことができる文頭の言葉。謙虚な言い回しが好印象を与えます。「悪しからず」も似た意味の言葉です。
やまやま
「本当は望んでいるけれど、事情があって残念ながらできません」という気持ちを表現。「お手伝いしたいのはやまやまですが」と前置きすれば、お詫びの思いも相手に伝わり、悪い印象になりません。
お気持ちだけいただきます
このようにいうと、「できません」「お断りします」というよりも、柔らかな響きになります。先方も「思いはわかってもらえた」と前向きに捉えることができ、断ったあとも良好な関係を保つことができます。
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〈監修/吉田裕子 取材・文/宇野津暢子 イラスト/松尾ミユキ〉
吉田裕子(よしだ・ゆうこ)
国語講師。東進ハイスクールで古典を指導しつつ、毎日文化センターなどで大人向けの古典講座・エッセイ教室も担当する。担当音声配信Voicy「毎朝古典サプリ」などメディアの発信にも努める。著書に『思いが伝わる語彙学』(KADOKAWA)amazonで見る など。三鷹古典サロン裕泉堂を運営。
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※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです