• 国語講師の吉田裕子さんに、美しい日本語を使うために覚えたい「大和言葉(やまとことば)」を教えていただきました。大和言葉には細やかな感情を表す表現が多く、会話に取り入れると柔らかな印象に。本記事では、「喜びを伝えるとき、慰めるとき、断るとき」など、生活のさまざまなシーンで役立つ15の大和言葉をご紹介します。
    (『天然生活』2017年9月号掲載)

    断るときに添えたい「大和言葉」

    心苦しいのですが

    誘いを断るときや、意に添えないとき、気がとがめるお願いごとをするときなど、最初に「心苦しいのですが」といえば、‟申し訳ない”という思いや、‟迷惑をかけてすまない”という気持ちが相手に伝わります。

    立て込んでおりまして

    断りたい相手に対して、やんわりと拒絶するフレーズ。「忙しいので」というより露骨にならずに、その場を収めることができます。「手が放せませんので」や「取り込み中で」という言い回しも、同様に使うことができます。

    これに懲りずに

    相手の期待や誘いなどにこたえられなかったとき、「どうか悪く思わずに、今後ともよろしく」という気持ちを表すことができる文頭の言葉。謙虚な言い回しが好印象を与えます。「悪しからず」も似た意味の言葉です。

    やまやま

    「本当は望んでいるけれど、事情があって残念ながらできません」という気持ちを表現。「お手伝いしたいのはやまやまですが」と前置きすれば、お詫びの思いも相手に伝わり、悪い印象になりません。

    お気持ちだけいただきます

    このようにいうと、「できません」「お断りします」というよりも、柔らかな響きになります。先方も「思いはわかってもらえた」と前向きに捉えることができ、断ったあとも良好な関係を保つことができます。


    〈監修/吉田裕子 取材・文/宇野津暢子 イラスト/松尾ミユキ〉

    吉田裕子(よしだ・ゆうこ)
    国語講師。東進ハイスクールで古典を指導しつつ、毎日文化センターなどで大人向けの古典講座・エッセイ教室も担当する。担当音声配信Voicy「毎朝古典サプリ」などメディアの発信にも努める。著書に『思いが伝わる語彙学』(KADOKAWA)amazonで見る など。三鷹古典サロン裕泉堂を運営。

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    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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