心が元気になれないときには「基本の食」に立ち返って
寒い日の間にも、少しずつ春らしい日が増えてきました。まさに三寒四温という感じで「何を着たらいいのかわからないわ〜」と文句をいいつつも、春を待ちわびるワクワクする季節ですね。
ですが、反面、気圧の乱高下も多くて体調管理の難しい時期だなと感じています。
年度末も重なり、仕事が忙しくなったり、家族の用事が重なったり、変化の多い落ち着かない時期でもあります。
わたし自身は、この「木の芽どき」と呼ばれる年度末から新年度始まりの時期は、昔から本当に本当に苦手です。ぼんやりしてミスが増えてしまったり、やる気が落ちてしまったり……。
それでもここ数年は、ようやく少しずつ、そんな季節とのつきあい方もわかってきまして。
こういう、どちらかというと体よりも心が元気になれないときには、基本の食に立ち返ることにしています。

朝ごはんには、ごはんに味噌汁、漬けものなどを。それに加えて、野菜を増やしたり、なるべく海藻やきのこ類を足したり、食物繊維を摂るように。
雑穀をごはんに加えたり、味噌汁に乾燥わかめを加えたりと、手軽なことから増やしていきます。
いつものタンパク質朝ごはんに腸活食材をプラス
日頃、タンパク質を意識した朝ごはん生活をしていると、タンパク質量を気にするあまり、海藻やきのこといったいわゆる和食的な栄養バランスがよいとされるものが抜け落ちがちです。
とはいえ、タンパク質を摂ることを目標にしているいつもの朝ごはんなら、それもOK。あれもこれも、と考えだすと、慌ただしい朝時間には負担が重すぎますから。
でも、気持ちがザワザワしがちな春先の木の芽どきだけは別。なんとなく朝ごはんを準備するのではなく、ひと息ついてからゆっくりと。いつもより少しだけ手を加えて、野菜やきのこ、海藻などを摂ることで、少しずつ気持ちが整ってくる気がします。
食材に触れているとなんとなく元気が出てくるんだよね、という気分の問題だけでもなく、そうした食材はいわゆる腸活によい食材でもあるから、というのも大きな理由です。
腸は「第二の脳」といわれるほど神経細胞が多い器官ですが、その腸の状態を整えることは、下がりがちな気持ちを整えるのにも役立つのだとか。

それを知って以来、春先には、ごはんには海苔や昆布を、味噌汁にはきのこを。少しずつ、いつもよりも意識して、海藻やきのこ類を増やすようにしています。

田内しょうこ(たうち・しょうこ)
「時短料理をサステナブルな知恵に」をモットーに、ゆとりを生みだすための時短の知恵を書籍や雑誌、ウェブサイトで発信。セミナーや出張教室のほか、食と暮らし、子育て関連の情報発信を行う。著書に『時短料理のきほん』(草思社)、『働くおうちの親子ごはん』シリーズ(英治出版)、『汁かけごはん』(駒草出版)など。
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