• その鋭い観察眼と、ユニークかつ確かな言葉選びで人気が高い、モデル文筆家浜島直子さん。最新刊『キドアイラク譚』では、これまで浜島さんの人生に起こった出来事を、「喜怒哀楽」4つの感情に分けて描いています。「日々の感情は人生の営みのひとつとしてなくてはならない大切なもの」(あとがきより)と記す浜島さんに、“心のままに生きること”の豊かさについてお話を伺いました。

    母に「喋るナイフ」と呼ばれた少女時代

    北海道で生まれ、二人姉妹の次女として育った浜島さん。

    真面目でおとなしい姉に比べて、生まれながらに口が達者で、感情表現もとても豊かだったそう。

    「口げんかをするといつも姉を言い負かしてしまい、怒った姉から頭をごちーん!とされてはよく泣いていました。10代になってからは、家族と顔を合わせてはひどい言葉を吐く、典型的な反抗少女に。『あの子は喋るナイフだよ…』と、母が電話口で友人に話すのを聞いてしまったこともあります(笑)。でも、相手が傷ついてるんだなとわかったところで、激しい性格を変えることはできなかった。いま思い返してみると、母は本当に大変だったろうなと思います」

    画像: 母に「喋るナイフ」と呼ばれた少女時代

    感じるままにワーッと笑って、ワーッと泣いて……そんな浜島さんのキャラクターに手を焼きながらも、いわゆる「いい子」になるよう捻じ曲げなかったのが、お母様・律子さんのすごいところ。

    「思ったことはすぐ口にしてしまうし、部屋のなかには常に荷物がピラミッド状に積み上がっているほど片づけが苦手。そんな私を、母は決して押さえつけて変えようとはしませんでした。汚い部屋を見ても頭ごなしに叱ったりせず、『オブジェみたいだね。将来アーティストになるかも』とむしろ面白がって写真を撮ってくれたり。いまでもカメラや人の前で臆せず自分の考えを話せるのは、ありのままの私を受け入れてくれた母のおかげだと思います」



    〈撮影/竹中祥平 スタイリスト/福田麻琴 ヘア&メイク/ナライユミ 取材・文/栗田瑞穂〉

    浜島直子(はまじま・なおこ)
    モデル。北海道生まれ。19歳で上京し、『mc Sister』のモデルに。その後、『世界・ふしぎ発見!』のミステリーハンターとして幅広い世代から人気を集める。現在は『ESSE』『LEE』で連載を持つほか、テレビやラジオで活躍。随筆集『蝶の粉』(ミルブックス刊)、『けだま』(大和書房刊)に続き、3月にフォトエッセイ『キドアイラク譚』(扶桑社刊)を刊行。10歳の男の子の母。
    インスタグラム@hamaji_0912

    ◆衣装協力/シャツ ¥9,900(ジャーナル スタンダード レリューム/ジャーナル スタンダード レリューム ルミネ新宿店)



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