• その鋭い観察眼と、ユニークかつ確かな言葉選びで人気が高い、モデル文筆家浜島直子さん。最新刊『キドアイラク譚』では、これまで浜島さんの人生に起こった出来事を、「喜怒哀楽」4つの感情に分けて描いています。「日々の感情は人生の営みのひとつとしてなくてはならない大切なもの」(あとがきより)と記す浜島さんに、“心のままに生きること”の豊かさについてお話を伺いました。

    「書く」ことを通して自分の内面をさらけ出す

    大人になると、つい感情を抑えてしまったり、自分の本心を無視してしまったりするもの。

    自我をのびのびと解放させて育ち、いまも心のまま素直に生きているように見える浜島さんも、実は同じだといいます。

    「例えるならマトリョーシカみたいな感じ。自分が3層くらいになっていて、一番内側の自分が隠している気持ちを、外側の自分は知りつつ表に出すことはありません。でも、そんな内に秘めた思いをさらけ出したくなったら、私は『書く』というツールを使うんです」

    画像: 「書く」ことを通して自分の内面をさらけ出す

    5年前に随筆集『蝶の粉』を出した際、多くの人から「意外でした」と言われたという浜島さん。

    それは、普段モデル・はまじが見せている明るく屈託のない姿と、作品のなかで明かされた人間くささやほの暗さに、大きなギャップがあったから。

    「天真爛漫だと思っていたけれど、実はドロドロしているんだね、と(笑)。オフィシャルな自分のイメージを裏切りたかったわけではなかったけれど、“黒はまじ”の部分もあると知ってもらえて、それを面白がってもらえたことが、すごくうれしかったですね。でも、それで生きやすさが変わったかというと、とくに変化はありません。自分の内面を出したい人は出せばいいし、出さないほうが楽ならそのままでいい。心地よく生きられるバランスはその人だけのものだから。誰かのまねをして無理をする必要はないと思うんです」



    〈撮影/竹中祥平 スタイリスト/福田麻琴 ヘア&メイク/ナライユミ 取材・文/栗田瑞穂〉

    浜島直子(はまじま・なおこ)
    モデル。北海道生まれ。19歳で上京し、『mc Sister』のモデルに。その後、『世界・ふしぎ発見!』のミステリーハンターとして幅広い世代から人気を集める。現在は『ESSE』『LEE』で連載を持つほか、テレビやラジオで活躍。随筆集『蝶の粉』(ミルブックス刊)、『けだま』(大和書房刊)に続き、3月にフォトエッセイ『キドアイラク譚』(扶桑社刊)を刊行。10歳の男の子の母。
    インスタグラム@hamaji_0912

    ◆衣装協力/シャツ ¥9,900(ジャーナル スタンダード レリューム/ジャーナル スタンダード レリューム ルミネ新宿店)



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