「人生は思い通りに行かないことだらけ」を超えて
今作を読んで驚くのは、起こった出来事とそのときに持った感情を、浜島さんは俯瞰でとらえ、淡々と文章に落とし込んでいる点。
自分の「喜怒哀楽」を受け入れ、言語化するのはなかなか難しいことのはず。
「昔はすんなり怒りや哀しみを受け入れられたわけではありません。でも、大人になって『人生は思い通りいかないことだらけ』だと気付いてからは、気持ちへの対処がちょっぴり上手になったかも。大きなきっかけは3つ。まずはいわゆる表紙を飾るような自分がイメージするモデルにはなれなかったこと。2つ目は、『世界ふしぎ発見!』のミステリーハンターになったこと。世界を飛び回るのに忙しく、感情に振り回されているひまがまったくなかったんです。そして3つ目は、母になったこと。『思ってたんと違う!』にたくさんぶち当たり、乗り越えたり、ときには水に流したりすることで、やっと何事もニュートラルに“ただの出来事”として受け入れられるようになった気がします」

〈撮影/竹中祥平 スタイリスト/福田麻琴 ヘア&メイク/ナライユミ 取材・文/栗田瑞穂〉
浜島直子(はまじま・なおこ)
モデル。北海道生まれ。19歳で上京し、『mc Sister』のモデルに。その後、『世界・ふしぎ発見!』のミステリーハンターとして幅広い世代から人気を集める。現在は『ESSE』『LEE』で連載を持つほか、テレビやラジオで活躍。随筆集『蝶の粉』(ミルブックス刊)、『けだま』(大和書房刊)に続き、3月にフォトエッセイ『キドアイラク譚』(扶桑社刊)を刊行。10歳の男の子の母。
インスタグラム@hamaji_0912
◆衣装協力/シャツ ¥9,900(ジャーナル スタンダード レリューム/ジャーナル スタンダード レリューム ルミネ新宿店)