(『天然生活』2022年2月号掲載)
6月に楽しむ、発酵食と保存食
6月はなんといっても「梅仕事」

6月はなんといっても「梅仕事」です。
庭には大きな梅の古木があり、太い幹は割れてつっかえ棒をしなくては折れてしまいそうですが、毎年、たわわに実がなります。
梅干しのほか、梅シロップや梅酒、梅味噌、梅肉エキス……などなど。
梅シロップや梅酒は一般的には青梅を使用しますが、私は完熟の黄色い梅を使用します。
梅干しは、ぬか漬け、味噌と並ぶわが家の三種の神器。毎日、欠かさず食卓に並びます。
また、裏山を散策して見つける「山椒の実の塩漬け」と「ちりめん山椒」もこの季節ならでは。山椒の刺激的な香りを堪能します。
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▼「ちりめん山椒」のつくり方はこちら
「梅味噌」のつくり方

梅仕事のなかで一番、手軽につくれるのが梅味噌。
梅、味噌、砂糖の割合は2:2:1。これを覚えておけば少量でもつくれて便利です。
山田さんは少し傷がある梅などを毎年、梅味噌にしているそう。
材料(つくりやすい分量)
● 完熟梅 | 250g |
● 味噌 | 250g |
● きび砂糖 | 125g |
つくり方
1 梅は洗ってふきんなどで水けをふき取り、竹串でなり口のへたを取り除く。
2 清潔な保存容器に、味噌、梅、きび砂糖の順に交互に重ねて入れ、一番上が味噌になるようにしてすべて入れたらふたをする。
3 2~3日で梅から水分が上がってくるので、材料が溶け合うように容器を静かに上下にゆする。
4 2~3カ月して梅が黒っぽくなったら梅を取り出し(そのまま入れておいてもよい)、全体を混ぜて完成。おすすめは1年おいたもの。取り出した梅は細かく刻んで味噌と混ぜて料理に使える。
*常温で保存。消費期限はなし。
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▼そのほかの梅仕事「梅干し」のつくり方はこちら
〈監修/山田奈美 イラスト/しらいしののこ 取材・文/結城歩〉
山田奈美(やまだ・なみ)
薬膳・発酵料理家。食養研究家。発酵食や薬膳に造詣が深く、神奈川県葉山町で発酵や薬膳の料理教室を開催している。季節の発酵食と保存食づくりについて詳しく紹介している『昔ながらの知恵で暮らしを楽しむ家しごと』(エクスナレッジ)ほか著書多数。夫と小学生の息子の3人暮らし。
http://tabegoto.com/
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです
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