不調を和らげた、昔ながらのお手当て
こんにちは。写真と文の七緒です。
少し前ですが、5月のゴールデンウィークに体調を崩していました。
喉のイガイガから始まり、発熱、めまいが1週間ほど続いたでしょうか。このまま具合が悪いままだったらどうしよう…なんて不安もよぎりましたが、回復のきっかけは昔ながらの自然療法でした。

リビングの一角は自然療法コーナー
「せっかくなら自然のちからでお手当てしてみよう」
そう意気込み、以前仕込んだびわの葉チンキでうがいをしたところ、喉の痛みが劇的に緩和。加えて、びわの葉のこんにゃく湿布を背中にあてたら、みるみるうちに38度から36.5度に解熱。
私は鎌倉山の光と緑の家に暮らしはじめて、自然のお手当てには本当に力があると実感しています。
身近な植物を活かして、心身を整える。昔はスタンダードだったお手当てを今の時代に取り入れることは、混沌とした時代を心地よく生きる一つの術かもしれません。
梅雨の薬草を暮らしに活かす
簡単! ドクダミチンキのつくり方+使いこなし術

今回は今の時期、身近に生えているドクダミのチンキのつくり方、そして楽しみ方をご紹介します。
独特の香りやインパクトある名前が先行し「雑草」として嫌がられることも多いドクダミ。
でも物事は光のあてようによって、いくらでも変わるもの。雑草と名付けられている植物の多くは、その生命力から薬草として活かせるものもたくさん。
ドクダミも10の効能を持つ“十薬”という別名があるほど、セルフケアの可能性に満ちた薬草です。
簡単!ドクダミチンキのつくり方
まずはドクダミチンキをつくりましょう。
チンキの存在を知っている方も多いと思いますが、私自身は長らくハードルを感じていました。つくり方が難しそうだし、本当に効果あるのかな?って。
でも実際は材料を準備すれば驚くほど簡単につくれて、パワフルな効果を発揮してくれます。
材料とつくり方
1 消毒した瓶、乾燥させたドクダミ、ウォッカ(アルコール度数40%のもの)を準備。

2 ドクダミを瓶に入れ、ドクダミにかぶるまでウォッカを注ぐ。

3 直射日光を避けて冷暗所に保管。1〜2ヶ月経ったら、中のドクダミを取り出してでき上がり。

虫除けスプレー&かゆみ止めとして大活躍
わが家は幼い子どもがいることもあり、虫よけ&かゆみ止めとして大活躍。原液のままスプレーボトルに入れて、玄関と庭に常備しています。
虫よけ&かゆみ止めを兼ね備える使い勝手の良さ、市販品と変わらない(何ならそれ以上?個人の体感ですが…)効果も相まって、外遊びや庭仕事の必需品です。

ドクダミの楽しみ方いろいろ
ドクダミの使いこなしは他にもさまざま。
乾燥させたドクダミは薬草茶としてもいただくのもおいしいです。
すっきりとした味わいもさることながら、ドクダミに含まれるカリウムが体内に滞る毒素を排出し、体のめぐりをよくしてくれるといわれています。
体が重だるく感じたり、むくみが辛い時に、他のハーブと合わせてブレンドすることが多いです。

また楚々とした白の花、スペードの形をした葉っぱも美しい。摘んでそのまま花瓶に生けるのも案外かわいいです。
身近な薬草で心身を整える喜び

足元にひっそり佇む植物に目を向け、暮らしに活かすこと。
それは難しいことでも特別なことでもなく、先祖から脈々と受け継がれてきたこと。セルフケアの種は私たちの周りにたくさんあるんですよね。ただ気づいていないだけで。
そして身近な薬草で心身を整えるプロセスそのものも、自分を癒やしてくれます。
「本当に虫よけになるんだ!」「薬草茶っておいしいね」その滋味深い喜びは、日々を愉快に心地よくしてくれますよ。
もしかすると江戸時代はこうやって養生してたのかしら、なんて想いを馳せたりしながら。
ぜひ試してみてくださいね。
参考書籍『暮らしに役立つハーブチンキ事典/川西加恵』
※ドクダミにはカリウムが高濃度に含まれているため、腎機能が低下している方は、摂取に注意が必要です。利尿作用もあることから薬草茶の過度な飲用はお控えください。
〈撮影/星 亘 文/七緒〉

七緒(なお)
写真と文。人や暮らしにまつわる撮影・インタビューを手がける。代表作に「前田敦子の"月月"」。1児の母。鎌倉山の麓に暮らしながら、植物療法士としても学びを深めている。
インスタグラム:@naotadachi
ラジオ(voicy):心地よくきく、セルフケアジャーニー