Q:天気が悪い日の不調は年齢のせい? 対処法を教えてください

雨の日に不調になるってふしぎ!
お天気が悪い日には、頭がずっしりと重く感じたり、体がだるくなったりなど、不調を感じるようになりました。いわゆる「気象病」というものでしょうか。
以前は気にならず、上司が雨の日に不機嫌になる理由がわからなかったのですが、最近は気持ちがわかるようになりました……。
周りの同僚も同じように雨の日は調子が悪いと言っているのですが、加齢のせいなのでしょうか?
大きな病気ではありませんが、周囲には体調不良が伝わりにくいため、無理をしてしまいがちです。症状を軽くする方法はありますか?
(ツキコさん/40代、会社員)
A:「気象病」自律神経の乱れが原因。マッサージや腹式呼吸でリラックスを

40代前後の女性に多いお悩みですね
「気象病」は40代女性に多い? 主な原因と症状
今回は、ツキコさんからの天気が悪い日には頭が重かったり、体がだるいというお悩み相談です。
ツキコさんのいうように天気が悪い、低気圧の日に体調不良になる「気象病」の可能性が高いですね。
気象病は気圧や温度、湿度などの変化が原因で、体や心に起こる不調のことを指します。
これからの梅雨や台風の季節に悪化しやすく、ツキコさんと同じ40代前後の女性に多いことも特徴です。
代表的な症状としては以下があります。
気象病の主な症状
●頭痛
●倦怠感
●肩こり
●めまい
原因として、耳の中にある気圧を感知するセンサーに負担がかかり、自律神経のバランスが乱れることによると考えられています。
気象病のかんたん対処法「耳マッサージ」と「腹式呼吸」
自分でできる対処法としては、耳の血流をよくするために、耳を上下に引っ張ったり、回したり、折り曲げたり戻したりするマッサージや、自律神経を整える腹式呼吸もおすすめです。
腹式呼吸は、お腹に手を当てて、鼻から8秒くらいかけてお腹が膨らむように息を吸い、8秒くらいかけてお腹がへこむように口からすべての息を吐き切ります。
また長時間のデスクワークやうつむきの姿勢が気象病の症状を悪化させやすいといわれており、姿勢を正したり、スクワットなどの運動も効果的です。
気象病におすすめの漢方
漢方では、この気圧の関係で不調が起こることを「水毒」と呼び、体に余計な水分が溜まるために頭痛やめまい、倦怠感が起こりやすいと考え、水分代謝を改善する五苓散(ごれいさん)という漢方薬を用います。
気象病におすすめの食材と習慣
体の余計な水分を発汗や利尿で排出する効果が期待できる食材としては、キャベツやセロリ、枝豆、とうもろこし、スイカ、黒豆などが挙げられます。
また血流をよくしたり、発汗するという作用では半身浴やサウナもおすすめです。
最近では「頭痛ーる」などの気圧の変化で注意するべき日を教えてくれるアプリなどもあり、その警告日にはあまり予定を入れないようにしたり、規則正しい生活を心がけることも大切です。
それでも辛い場合には、乗り物酔いに使う酔い止めなどのお薬を利用する方法もあります。
今回の記事がツキコさんはじめ、気象病に悩む方の少しでも参考になれば幸いです。
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來村昌紀(らいむら・まさき)
頭痛専門の脳外科医として大学病院に勤務しながら漢方専門医の資格を取得。2014年、千葉県に、「らいむらクリニック」を開設。著書に『頭痛専門医・漢方専門医の脳外科医が書いた頭痛の本』『漢方専門医の脳外科医が書いた漢方の本・入門編』(ともにあかし出版)など。YouTubeチャンネル『らいむらクリニック チャンネル』でも、頭痛や漢方のお話を解説。
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