しょうがの薬膳的効能ついて
しょうがは胃腸の働きを活発にして、消化促進、食欲増進、吐き気の改善などの作用があります。
また、血行をよくして体を温めますが、とくに生のしょうがは辛味成分である「ジンゲロール」が皮膚表面を温めて発散する作用があるため、風邪などのウイルスを吹き飛ばしたり、汗を出して熱を下げるのに有効です。
ジンゲロールは皮に多く含まれるため、しょうがは皮ごと使いましょう。
はちみつや酢にも胃腸の働きを整え、体を温めたり、疲労を回復する働きがあるため、冷房や湿気で体が冷えやすく、夏バテで胃腸の弱りやすい夏に最適です。
みずみずしく、辛味もマイルドな「新しょうが」を使って
初夏に旬を迎える「新しょうが」。
収穫後に貯蔵して寝かせた「ひねしょうが」に比べて、みずみずしく繊維がやわらかで、辛味もマイルドなのが特徴です。
新しょうがの季節になったら必ずつくるものが「甘酢漬け」や「醤油漬け」、そして「ハニーサワードリンク」。
スライスして漬け込むだけの手軽さですが、炭酸で割って「ジンジャーエール」に、ミルクや紅茶と煮込んで「チャイ」にと、アレンジもいろいろ。
好みのスパイスを加えれば味に奥行きも出ますし、取り出したしょうがは、ソースや煮ものなどにも活用できます。
「新しょうがのハニーサワードリンク」のつくり方

材料(つくりやすい分量)
●新しょうが | 100g |
●酢(りんご酢や果実酢などのまろやかなものがおすすめ、レモン果汁でも) | 80〜100mL |
●はちみつ | 150g |
●クローブ(お好みで) | 2〜3粒 |
●黒こしょう | 2〜3粒 |
●シナモンスティック | 1/2本 |
つくり方
1 しょうがは洗って水気をしっかりふき取り、皮ごと薄切りにする(しょうがのピンクの部分を多く入れると、シロップがピンクに色づく)。

2 清潔な容器に1を入れ、酢とはちみつを加えてよく混ぜ合わせる。好みでハーブやスパイスを加えてふたをし、冷暗所におく。
3 一日1回瓶を振り混ぜ、3〜4日ほどおいたら出来上がり。水やお湯、紅茶、炭酸などで2〜5倍に薄めて飲む。
保存期間:冷蔵で1カ月ほど保存可能。
〈料理/山田奈美 イラスト/しらいしののこ〉
山田奈美(やまだ・なみ)
「東京薬膳研究所」の武鈴子氏に師事。東洋医学や薬膳理論、食養生について学ぶ。神奈川県葉山町のアトリエ「古家1681」にて薬膳の料理教室や発酵食品の教室を開催。季節の食養生を伝える活動を行う。著書に『季節のお漬けもの』、『菌とともに生きる 発酵暮らし』(ともに家の光協会)などがある。
インスタグラム:@nami_yamada.tabegoto
YouTube:「山田奈美の発酵暮らし」
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