• 薬膳・発酵料理家の山田奈美さんに、砂糖を使わないさわやかな味わいの「梨の無糖ジャム」のつくり方を教えていただきました。山田さんが子どもの頃からの大好物で、梨をすり下ろすことで、煮詰める時間を短縮した「時短レシピ」なのも魅力です。

    梨の薬膳的効能ついて

    梨は体の熱を冷まし、渇きを止めて肺を潤す働きがあります。

    秋は空気が乾燥して肺や気管支が乾いて熱を持ち、咳や痰、声がれ、のどの痛み、ぜんそくなどの気管支のトラブルが増える時期ですから、梨はそうした症状を予防するのに最適です。

    ただし、胃腸を冷やすので、冷え症の人や胃が冷えてお腹を壊しやすい人などは取り過ぎに注意を。

    しっかり加熱するジャムなら安心して食べられます。

    砂糖は不使用。さっぱりとした味わいの梨ジャム

    母が毎年手づくりしている無糖の梨ジャム。子どもの頃から大好きな味わいのひとつです。

    一般的なジャムは日持ちさせるために砂糖をたっぷり使用していますが、梨のように甘みの強いフルーツは砂糖なしでも十分。

    むしろ砂糖をたくさん使うと、梨本来の繊細な味わいが薄まり、甘味だけが際立ってしまいます。

    砂糖を使わずに煮詰めていく梨ジャムは、さっぱりとしてさわやかな味わいが魅力で、甘いものが苦手な方にもおすすめです。

    すりおろした梨を使うことで煮崩れるまでの時間が短縮でき、またカットした梨を入れることで食感もプラスできます。

    梨にはいろいろな品種がありますが、私は甘味が強くて酸味の少ない「幸水」や「新高」でつくることが多いです。

    旬の時期にぜひ手づくりしてみてください。

    「梨の無糖ジャム」のつくり方

    画像: トーストにバターの上に塗って食べたり、ヨーグルトにかけたりしてもおいしい

    トーストにバターの上に塗って食べたり、ヨーグルトにかけたりしてもおいしい

    材料(つくりやすい分量)

    ● 梨2個
    ● レモン汁小さじ2

    つくり方

     梨は皮をむいて3/4はすりおろす。残りは角切りにする。

    *すりおろした梨を使うことで、短時間で仕上がります。なめらかな食感が好みなら、すべてすりおろしてもOK。

      すりおろした梨とレモン汁を鍋に入れて中火にかけ、木ベラなどで焦げつかないように混ぜ続ける。

      沸いたらアクを取り、カットした梨を加えて蓋をし、弱火でとろみがつくまで30分ほど煮詰める。

    沸いてからカットした梨を加える

      冷めたら熱湯消毒した瓶につめ、冷蔵で保存する。

    保存期間:冷蔵で1週間程度、冷凍で1カ月ほど保存可能。



    〈料理/山田奈美 イラスト/しらいしののこ〉

    山田奈美(やまだ・なみ)
    「東京薬膳研究所」の武鈴子氏に師事。東洋医学や薬膳理論、食養生について学ぶ。神奈川県葉山町のアトリエ「古家1681」にて薬膳の料理教室や発酵食品の教室を開催。季節の食養生を伝える活動を行う。著書に『季節のお漬けもの』、『菌とともに生きる 発酵暮らし』(ともに家の光協会)などがある。

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    『別冊天然生活 山田奈美さんの手仕事を楽しむ古民家暮らし』(山田奈美・著/扶桑社・刊)

    画像: 「梨の無糖ジャム」のつくり方。お砂糖なしで“梨本来”の繊細な味わいを楽しむ、大好物の時短ジャム|山田奈美の旬を味わう手しごとごよみ

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