• 一年中、旬の仕込みものを楽しんでいるという、薬膳・発酵料理家の山田奈美さん。1月から12月までその時々に楽しめる発酵食と保存食づくりをご紹介します。11月は「アンチョビ」のつくり方。塩漬けしたイワシを冷蔵庫で1カ月ほどねかせ、オリーブオイルを注いで半月以上おいたらできあがり!同時にナンプラーもつくれるうれしい保存食づくりです。
    (『天然生活』2022年2月号掲載)

    11月に楽しむ、発酵食と保存食
    干し柿、牡蠣のオイル漬け、アンチョビづくり

    画像: 11月に楽しむ、発酵食と保存食 干し柿、牡蠣のオイル漬け、アンチョビづくり

    縁側にずらりと並ぶ「干し柿」は、わが家の風物詩です。

    実家から送られてくるものや、ご近所からいただくものを使って、毎年たくさん仕込んでいます。本来は軒先に干すのが理想ですが、わが家ではリスがやってきて食べつくしてしまうため、苦肉の策で縁側に干しています。

    干し柿にカビが気になる場合は、焼酎を吹きかけると防ぐことができます。約1カ月ほど干しますが、その間、1週間おきに全体をもむことで、渋が早く抜け、やわらかく仕上がります。

    また、この時季になると、新鮮なものが手に入ったら必ず作るのが「牡蠣のオイル漬け」と「アンチョビ」です。どちらもパスタやピザなどの料理に大活躍し、季節の楽しみとして我が家の食卓を彩っています。

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    ▼「干し柿」のつくり方はこちら

    ▼「牡蠣のオイル漬け」のつくり方はこちら

    「アンチョビ」のつくり方

    画像: 「アンチョビ」のつくり方

    アンチョビや保存系食材はかなり塩気が強いため、そのまま食べたい場合は、3%の塩水に数時間つけて塩抜きするとおいしく味わえます。

    また、オリーブオイルについては取り扱いに注意が必要です。冷蔵庫に入れると固まりやすくなり、光に当てると劣化しやすいため、常温の暗所で保存するのがおすすめです。

    こだわりの食材を丁寧に扱うことで、より豊かな味わいを楽しむことができますね。

    材料(つくりやすい分量)

    ● カタクチイワシ(※)20尾
    ● 塩イワシの15%程度
    ● オリーブオイル適量
    ● 赤とうがらし1本
    ● 黒こしょう、ローリエ(お好みで)1~2枚

    ※ウルメイワシ、小ぶりのマイワシでも可

    つくり方

     イワシは手開きして頭、内臓、背骨を取り除き、3%の塩水(分量外)で洗ってペーパータオルで水けをしっかりふき取る。

     下漬けする。清潔な保存容器に、塩、イワシ、塩の順に重ねて入れる。一番上はイワシが見えなくなるくらいまで塩をふる。

     空気に触れないようラップでぴっちりと表面を覆ってふたをし、冷蔵庫で1カ月ほどねかせる。

     瓶詰めする。1カ月ほどおいて熟成させたらイワシを取り出し、ペーパータオルで水けをふき取る。煮沸消毒(またはアルコール消毒)した保存瓶にイワシを縦に詰め、オリーブオイルをひたひたになるまで注ぎ、赤とうがらし、好みで黒こしょう、ローリエを加える。半月以上ねかせたらでき上がり。

    *常温の暗所で約1年保存可。

    *下漬けで容器にたまった液体はナンプラーとして使用できる。清潔な瓶に移し、冷蔵で保存する。

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    ▼そのほかの11月の手仕事はこちら


    〈監修/山田奈美 イラスト/しらいしののこ 取材・文/結城歩〉

    山田奈美(やまだ・なみ)
    薬膳・発酵料理家。食養研究家。発酵食や薬膳に造詣が深く、神奈川県葉山町で発酵や薬膳の料理教室を開催している。季節の発酵食と保存食づくりについて詳しく紹介している『昔ながらの知恵で暮らしを楽しむ家しごと』(エクスナレッジ)ほか著書多数。夫と小学生の息子の3人暮らし。
    http://tabegoto.com/

    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです

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    『別冊天然生活 山田奈美さんの手仕事を楽しむ古民家暮らし』(山田奈美・著/扶桑社・刊)

    画像: 11月に楽しむ手仕事「アンチョビ」のつくり方。パスタやピザに大活躍!イワシを漬けた液は、おいしい‟ナンプラー”に|山田奈美さんの12カ月楽しめる発酵食と保存食

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