• 一年中、旬の仕込みものを楽しんでいるという、薬膳・発酵料理家の山田奈美さん。1月から12月までその時々に楽しめる発酵食と保存食づくりをご紹介します。12月は「白菜」を使った保存食づくりを。少量からつくれて、自分好みの味にできるのが手づくりのうれしいところです。
    (『天然生活』2022年2月号掲載)

    12月に楽しむ、発酵食と保存食
    少量から自分好みでつくれる「白菜漬け」

    画像: 12月に楽しむ、発酵食と保存食 少量から自分好みでつくれる「白菜漬け」

    冬に欠かせない「白菜漬け」。白菜を天日に干してから漬けると、より一層甘みが増しておいしくなります。食べ頃は2週間ほどですが、うんと酸っぱくなったものもおいしく、自分好みにできるのが手づくりのよいところです。

    白菜漬けというと大きな樽に大量につくらないといけないと思うかもしれませんが、白菜1/2個なら厚手のポリ袋でつくれます。

    また、鍋料理が多くなるこの時季、まとめてつくっておくのが「ポン酢」です。橙かゆずの搾り汁に昆布としょうゆを加えて寝かせるだけ。種を一緒に加えるのが私流で、ペクチンが溶け出してとろりと濃厚に仕上がります。

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    ▼白菜漬けのつくり方はこちら

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    そのほかの、12月に楽しむ季節の手仕事

    大根の皮もおいしくいただける「はりはり漬け」

    画像: 大根の皮もおいしくいただける「はりはり漬け」

    パリパリと音がする食感から名づけられた「はりはり漬け」。昔は冬になるとずらりと大根を干して、たくあんとはりはり漬けをつくるのが習慣だったそう。

    煮物などをつくる際にむいた皮を使えば、残りものをむだなく利用できるうえ、かたい皮もおいしく食べられます。

    大根だけでなく数の子やするめ、にんじんを加える地域もあり、これはお正月料理の松前漬けの原点ともいわれています。

    ▼はりはり漬けのつくり方はこちら

    つくってすぐに食べられる「千枚漬け」

    画像: つくってすぐに食べられる「千枚漬け」

    京都の伝統野菜である‟聖護院かぶ”を薄切りにして甘酢に漬けた漬物「千枚漬け」。身がきめ細かくてやわらかいため、生でいただく漬物に最適です。

    乳酸発酵させないので、長期保存を目的としたものではありませんが、その代わり、つくってすぐに食べられるのがうれしいところ。

    普通のかぶでも同様に漬けられます。赤かぶや紫色のあやめかぶなど、色のあるかぶを漬けても。

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    〈監修/山田奈美 イラスト/しらいしののこ 取材・文/結城歩〉

    山田奈美(やまだ・なみ)
    薬膳・発酵料理家。食養研究家。発酵食や薬膳に造詣が深く、神奈川県葉山町で発酵や薬膳の料理教室を開催している。季節の発酵食と保存食づくりについて詳しく紹介している『昔ながらの知恵で暮らしを楽しむ家しごと』(エクスナレッジ)ほか著書多数。夫と小学生の息子の3人暮らし。
    http://tabegoto.com/

    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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