団地案内人
川添大輔(かわぞえ・だいすけ)
団地マニア歴26年の『天然生活』編集部員。
中学時代に暮らした社宅の団地で、その魅力に目覚める。大学時代にはトランジットで滞在したシンガポールの“レトロフューチャー”な団地群に衝撃を受け、社会人になってからは夜な夜なカメラを持って自転車で都内の団地を巡るのが日課に。警察にマークされながらも光が丘団地に通い詰め、憧れが高じてURに入居。前職では、念願の団地本も出版。昭和30年代の歴史的団地が姿を消しつつあるいま、その姿を記録に残すことへの執念は深まるばかりだ。
赤羽台団地の知られざる魅力
川添 (にやにや)
関根 ......、こんにちは。多方面から心配されながら3月に唐突に始まった団地記事ですが、まさかのご好評をいただきまして、第2回目の記事をお送りできることになりました。
川添 (にやにや)
関根 うれしい気持ちは分かりますが、無言の笑みを向けられて居心地が悪いです......。
川添 いやぁ、聞きましたよ!
関根 何ですか?
川添 関根さん、実は団地に暮らしていたことがあるそうですね。
関根 えっ!? 誰に聞いたんですか?
川添 それはそれとして、関根さんが住んでいた団地ってどんなところだったんですか?
関根 幼稚園に上がる前の約3年間、埼玉県の「わし宮団地」に住んでいました。まだ4歳くらいだったんですけど、記憶だけはやけに鮮明で。
川添 へぇ。

関根が幼少期を過ごした「わし宮団地」は現在も健在です。平地に「板状階段室型住宅」が建ち並んでいてその合間に公園が整備されていて住みやすそう。並行配置を大胆な幾何学型に崩していく配置プランは、埼玉県の平野部の団地らしい特徴な気がします(画像:©2026 Airbus、Maxar Technologies、地図データ:@2026 Google)
関根 団地のまんなかで「あーそーぼー!」って叫ぶと、声がよく響いて、どこからともなく友達が集まってきて。気づいたらみんなで公園にいる、みたいな。
川添 いいですね、その召喚システム。
関根 なんというか、平和な時間でした。
団地界の人気者がズラリ! 団地の聖地の登場です!
川添 そんな関根さんの思わぬ団地歴が明るみになったところで、団地の聖地、東京都北区にあった「赤羽台団地」の話をはじめますね。

まずは、赤羽台団地の配置図をご覧ください

赤羽台団地といえば、ずらりと並ぶ「スターハウス住棟」ですね。赤羽台駅からの入り口付近に並んだ「スターハウス住棟」の周囲には松の木が植えられ、独特の和風テイストを醸し出していました

赤羽駅側の道路沿いは、スッキリ刈り取られた芝に松の木の植栽なのに対して、一歩団地の内側に入ると、生い茂った緑の中に「スターハウス住棟」が点在して、山道のような歩道で結ばれているという牧歌的な雰囲気に。とても赤羽駅からわずか300mほどの距離とは信じられない世界が広がっていました
関根 「団地の聖地」って誰が決めてるんですか?
川添 そういわれると......、私が勝手にさせていただいた聖地認定になります。なんかスミマセン。
関根 世の中には団地ファンという方々がいることが分かりましたが、その方たちに、「団地の聖地」といっても、「赤羽台団地」を結び付けるとは限らないということですよね。
川添 冷静なご指摘ですね。まぁ、その可能性はないとはいえませんが、赤羽台団地を「団地の聖地」と呼ぶのは、結構支持をいただける気がするんですよねー。まぁアレな感じです。
関根 アレとは?
川添 どんどん強い超人が出てきても、やっぱり初期から登場していた、ソ連っぽいアンドロイドだったり、名前がラーメンだったり、イギリス出身のあの超人のことがみんな大好きっていう感じでしょうか。
関根 たとえの意味がよく分かりませんが、とにかくすごい自信ですね……。話が進みませんのでコンセンサスが取れているってことでいいです。
川添 ありがとうございます!

赤羽駅側の道路から見た「スターハウス住棟」。右側の街灯は「陣笠タイプ」と呼ばれる昭和の団地定番のデザイン。いまではすっかり見かけなくなりました
<撮影/川添大輔>




