団地案内人
川添大輔(かわぞえ・だいすけ)
団地マニア歴26年の『天然生活』編集部員。
中学時代に暮らした社宅の団地で、その魅力に目覚める。大学時代にはトランジットで滞在したシンガポールの“レトロフューチャー”な団地群に衝撃を受け、社会人になってからは夜な夜なカメラを持って自転車で都内の団地を巡るのが日課に。警察にマークされながらも光が丘団地に通い詰め、憧れが高じてURに入居。前職では、念願の団地本も出版。昭和30年代の歴史的団地が姿を消しつつあるいま、その姿を記録に残すことへの執念は深まるばかりだ。
緑豊かな昭和30年代の団地
川添 で、赤羽台団地とは、JR赤羽駅の西側の段丘の上にあった団地で、いまはほとんどが建て替えられて、「ヌーヴェル赤羽台」というURの高級賃貸団地になっています。
関根 あら、もうないんですか。
川添 はい。URさんの建て替えではよくあるパターンと思うんですが、敷地の一部を売却して、建物が高層化されています。赤羽というと「せんべろの街」ですよね。庶民的な居酒屋がたくさんある。
関根 ですね。
川添 なんですが、赤羽台団地のある西側は、赤羽台団地のあった段丘が駅のすぐ近くに迫っていて、飲食店が少なく、反対側の飲食店の街とは全然違ったイメージです。団地へ続く坂や階段を上ると、名物の「スターハウス住棟」が出迎えてくれるんです。

赤羽台団地からの階段を登るとこんな風景が。団地好きとしては準備運動なしで1,500m走を走らせるような、いきなりの心臓のバクバク感で卒倒しそうです。「はやい、はやいよ!」という、戦いの中で新人類に覚醒する天パの少年の同僚のセリフが頭を駆け巡ります。こういうときは慌てた方が負けです
関根 入口のスターハウス住棟で、街の雰囲気とガラリと変わるんですねー。
川添 そうなんです。赤羽駅のにぎやかな雰囲気が突然、緑豊かで静かな団地の世界に代わるのは、ちょっとスペクタクル感があるんですよねー。
関根 遠くを見つめていますが......。

赤羽台団地に登る別ルートからの写真です。この坂の上の赤羽台団地の土地は売却されたらしく、ヌーヴェル赤羽台団地の敷地ではなくなっています。夕方に撮った写真で、なんだか不気味な雰囲気でスミマセン
川添 あ、え~と、そんな素晴らしい環境の団地だったのですが、建て替えの寸前まで、緑地の雑草もきれいに刈り込まれてるなど、とてもきれいに管理されていたのが印象的でした。
関根 単なる古い団地というのとは、ちょっと違ったんですね。

芝生ではないかもしれませんが、緑がしっかり刈り込まれて管理されているのが赤羽台団地のいいところでした

建物のほとんどは平行配置です。よく茂った緑地が広く、きれいに整備されているので、建て替え間際まで整然として見えました
川添 はい。建物は確かに古めかしい見た目になっていましたが。まだ団地の設計が固まり切っていなかった時代だったためなのか、建物のほとんどを占める「板状階段室型住宅」も、よく見ると一棟一棟のデザインが微妙に違って、いろいろな試みをしている感があって「団地博物館」的な楽しみ方ができました。
関根 なるほど。
川添 赤羽台団地の魅力は「スターハウス住棟」だけじゃないんですよ~!
関根 「某橋を閉鎖できません~!」みたいないい方になっていますが大丈夫ですか?
<撮影/川添大輔>




