梅は、ほかにない「不思議な果物」
山本さんが思う、梅の魅力は?
まず、見た目がかわいいですよね。それに、完熟梅は香りが本当にいい。桃みたいな甘い香りがするのに、酸っぱさはレモンくらいある。
梅は果物なのにごはんと一緒に食べるって、よく考えるとかなり珍しいですよね。あれだけ酸っぱいのに、日本では昔から当たり前にある。それは、ほかにはない魅力だと思います。

青梅と完熟梅、どう違う?
どちらも梅干しや梅シロップ、梅酒など、基本的には何にでもなります。ただ、仕上がりの味わいは少し違いますね。
青梅は、さわやかでさっぱりした風味に、完熟梅はフルーティーさが特徴です。
梅味噌をつくるなら、ぼくは青梅のほうが好きです。甘みより酸味が引き立って、きゅっと味が締まる感じがします。梅干しにするなら、圧倒的に完熟梅ですね。皮のやわらかさが全然違いますから。

はじめてにおすすめの梅仕事は?
一番簡単なのは、ジッパー付き保存袋でつくる梅干しですね。通常の梅干しづくりでは重しを使いますが、保存袋なら梅酢が全体に回るように、ときどきひっくり返すだけ。重しいらずで楽です。
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▼保存袋でつくる「梅干し」レシピはこちら
もっと簡単な方法もあって、それは昨年の梅酢で漬けること。市販の梅酢でも大丈夫です。洗って水けをふいた梅を容器に入れて、同量の梅酢を注ぐだけ。
最初から梅が梅酢に浸かっているので、かびてしまうリスクが減ります。しかも、梅酢を使うことで、塩の代わりに梅の風味が入り込むので、梅の味がより濃く仕上がります。
体にもうれしい「梅」の力
健康面でメリットを感じることは?
梅にはクエン酸やリンゴ酸などの有機酸が含まれているので、疲れたときや暑い時期にはとくに食べたくなります。
農園では、収穫を手伝ってくれるスタッフのために梅干しを置いているのですが、夏場はすごい勢いでなくなっていくんですよ。やっぱり体が欲するんだと思います。
熱中症対策にもなりますし、塩分とクエン酸を同時にとれる梅は、夏にぴったりですね。

女性におすすめの取り入れ方は?
朝に、梅干しや梅酢と白湯を合わせて飲む方は多いですね。有機酸による整腸作用と、ポリフェノールによる抗酸化作用があるので、女性にはうれしい食材だと思います。
また、つわりで気持ち悪くて何も食べられないときでも、梅だけは食べられたという話はよく聞きます。酸っぱさで少し楽になる方も多いみたいですね。
梅仕事はもっと気楽でいい
山本さんが楽しいと感じる梅仕事は?
普段は大きなタンクで梅を漬けているのですが、自分用に、小瓶に3粒ほど梅を入れ、塩を入れて漬けることです。梅酢が少ししか上がらないので、毎日びんを回して、かけてあげています。まりもを愛でるような感じで(笑)。
それが意外と好きで、半分、「鑑賞用」みたいな楽しみ方ですね。たくさん仕込まなくても、少量から楽しめるのも梅仕事の魅力です。
これから梅仕事を始めたい人へ
みなさん、すごくちゃんとやろうとしすぎるんですよね。容器の消毒をして、へたを取って、重しをして……って。でも、本当はもっと気軽でいいと思っています。
もちろん、衛生面への配慮は大事ですが、梅仕事って、本来はもっと暮らしに近いものだったと思うんです。だから、「完璧にやらなきゃ」と思って始められないくらいなら、まずは気軽にやってみてほしいですね。
気をつけて欲しいのは「水け」だけです。それさえしっかりとふいておけば、まずは大丈夫。

製造所を訪ねてくださった方から「働いている人、みんな肌がきれいですね」とよくいわれるんですが、梅のおかげだと思っています。
難しく考えすぎず、おいしくて美容と健康にもよい梅仕事を楽しんでみてください。
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▼梅ボーイズの「梅仕事」レシピはこちら
〈写真/梅ボーイズ 取材・文/飯作紫乃〉
山本将志郎(やまもと・しょうしろう)
梅ボーイズリーダー。株式会社うめひかり代表。日本一の梅の産地・和歌山県みなべ町の梅農家に生まれる。地元の高校を卒業後、北海道大学薬学部に進学するものの、実家の農園を継いだ兄のひと言を機に梅干しの道へ。幼少期から親しみのある“昔ながらの甘くない梅干し”が製造されなくなっている現状を知り、梅干しの研究を重ね、2018年6月より「本当においしい」と思える梅干しの販売を開始。軽トラックでの全国一周旅のほか、現在はSNSを中心に梅の魅力を発信し続けている。
https://umenokuni.com/
X:@_umeboys_1904
YouTube:@umeboys1904
Podcast:梅の夜明けラジオ







