• 『天然生活』誌上に、2012年11月号から2014年3月号まで掲載された、人気連載「松田美智子の季節の仕事」。その中から、「干し野菜」を取り上げた記事を紹介します。
    (『天然生活』2012年11月号掲載)

    干し野菜 | 9月末〜

    干し野菜の「理」は旨みと栄養の相乗効果.  松田美智子

    干すことで確実に食味がよくなるものだけを、しっかり水分が抜けるまで干す

    水分が抜けて素材の味が凝縮し、歯ごたえが増す干し野菜。一躍、ブームになりましたが、松田さんはいいます。

    「ぎゅっと味の詰まったおいしさは格別です。でも、何でも干せばおいしくなると考えるのは間違い。干すことで確実に食味がよくなるものだけを、しっかり水分が抜けるまで干すこと。これが干し野菜を楽しむ鉄則です」

    なにしろ、日本は湿度の高い国。完全に干さないと、かびを呼んで危険なこともあります、とも。

    向いている野菜は、まず白菜。繊維が締まり、濃い味わいが楽しめます。大根の皮は、厚めにむいて干せば、上等な切り干し大根に。そして王道のきのこ類。しいたけはもちろん、うま味の強いまいたけは干しきのこのスター選手です。

    いずれも、いままでに味わったことのない歯触りと、嚙んだそばからじんわりとあふれるうま味は病みつきになること間違いなし。

    ただ、野菜もきのこも、これだけ水分を抜くには、3週間近くかかります。ですから、家の中で干し野菜の定位置となる風通しのよいところを見つけることが成功のポイント、と松田さん。

    そして、ゆっくり時間をかけてもどすことで、みずみずしいのに繊維をしっかりと感じる、独特の食感と風味が生まれます。きのこ類は、もどし汁がいいだしにもなります。

    干し野菜

    画像: 干し野菜

    3週間ほどかけて干し上げた野菜ときのこ。手前がしいたけで、右隣は、しいたけの軸。しいたけから時計まわりに、大根の皮、白菜、まいたけ、中ほどがしめじ。野菜類は繊維が浮き出て、和紙か布のように美しい。

    材料(干し野菜に適した野菜)

    • 白菜
    • 大根の皮
    • きのこ(しいたけ、しめじ、まいたけなど好みのもの)

    つくり方

    〈干しきのこ〉

    しいたけは軸を手で取り、傘と軸に分ける。まいたけ、しめじは石づきを取って、小房に分ける。干し物用の網に、きのこ類を間隔をおいて並べ、風通しがよいところに吊るして、3週間ほど、完全に乾くまで干す。

    画像: 干しかごの中に、一段ずつ、間隔をあけて同じ種類のきのこを並べる。きのこ同士がくっつかないよう注意

    干しかごの中に、一段ずつ、間隔をあけて同じ種類のきのこを並べる。きのこ同士がくっつかないよう注意

    画像: 3週間後、水分が十分に抜けた状態。半分くらいの大きさに。 干しかご/問い合わせ:常陸屋 TEL.03-6219-5621

    3週間後、水分が十分に抜けた状態。半分くらいの大きさに。
    干しかご/問い合わせ:常陸屋 TEL.03-6219-5621

    〈干し白菜、干し大根〉

    白菜は葉を1枚ずつはがし、さっと洗う。大根はさっと洗って皮を厚めにむく。白菜、大根の皮を、棒にかけるなどして、乾燥しやすい場所に置き、3週間ほど、完全に水分が抜けるまで干す。

    画像: 天井近くに棒を2本渡し、そこにひっかけて白菜を広げ、ときどきひっくり返しながら、十分に乾かす

    天井近くに棒を2本渡し、そこにひっかけて白菜を広げ、ときどきひっくり返しながら、十分に乾かす

    画像: 余ったハーブ類があれば、干すとよい。ステンレスの平ざるに広げ、風通しがよい場所に1〜2日ほど置く。最後は100℃くらいの低温のオーブンに入れ、完全に乾かす

    余ったハーブ類があれば、干すとよい。ステンレスの平ざるに広げ、風通しがよい場所に1〜2日ほど置く。最後は100℃くらいの低温のオーブンに入れ、完全に乾かす

    「干し白菜と牛肉の煮もの」・松田美智子の季節の仕事「干し野菜」へ ⇒
    「干しきのこと豆腐の小鍋仕立て」・松田美智子の季節の仕事「干し野菜」へ ⇒

    <料理/松田美智子 撮影/川村 隆 取材・文/小松宏子>

    松田美智子(まつだ・みちこ)
    日本料理をベースにした家庭料理の教室を主宰。鎌倉で育った子ども時代から身近だった四季の保存食づくりをベースに、現代の生活でも無理なくできる、季節の食の楽しみを提案。

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです

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