(『天然生活』2014年5月号掲載)
お弁当の照り焼き
「基本の照り焼き」のレシピ
ごはんが進む、王道の甘辛味。火がとおりにくい厚めの素材は、蒸し焼きにしてから漬け汁をからめて、しっかり味をつけます。
材料(2人分)
● 白身魚の切り身(さわら、鯛、すずきなど) | 2切れ |
● A | |
・酒、みりん、しょうゆ | 各大さじ1 |
ひと工夫
焼くときに、魚や肉だけではなく早く火がとおる青ねぎなどを一緒に入れて照り焼き味にすると、ちょっとしたおかずにもなって便利。
つくり方
1 バットにAを合わせ、途中、裏表を返して10分ほど魚を漬ける。
2 中火で熱したフライパンにサラダ油少々(分量外)をひき、汁けをきった1の魚を入れる。こげ目がついたら裏返し、ふたをして弱火で4~5分、蒸し焼きにする。
3 ふたを開け、残った漬け汁をまわしかけてからめ、白炒りごま少々(分量外)をふる。
アレンジ①
厚揚げの黒酢照り焼き
照り焼きに、さっぱりした風味を加える黒酢。厚揚げときのこで、ヘルシーなひと品に。
材料とつくり方(2人分)
1 厚揚げ1/2枚は6等分に切る。しめじ30gは小房に分ける。
2 中火で熱したフライパンにごま油少々をひき、1を軽く炒める。みりん、黒酢各大さじ1、しょうゆ小さじ1を加え、からめるように炒める。
アレンジ②
いかとゆずこしょうの照り焼き
ゆずこしょうを加えれば、甘辛味がきりっと引き締まります。
材料とつくり方(2人分)
1 するめいか(またはやりいか)1ぱいは、ワタと脚を取り除いて皮をむく。胴の部分を開き、片面に斜めに切り込みを入れてから5×2cm程度の短冊切りにする。
2 バットに酒、みりん各大さじ1、ゆずこしょう小さじ1を合わせ、1のいかにまぶす。
3 中火で熱したフライパンにごま油少々をひき、2のいかを入れて色が変わるまで炒める。仕上げに白炒りごま少々をふる。
アレンジ③
とりもも肉の梅照り焼き
さわやかな酸味がアクセントに。梅干しも、おかずのひとつとして味わえます。
材料とつくり方(2人分)
1 酒、みりん各大さじ1、しょうゆ小さじ1を合わせ、種を取り除いて軽くたたいた梅干し1個を加える。
2 食べやすい大きさに切ったとりもも肉を1に入れて、もみ込む。
3 中火で熱したフライパンにサラダ油少々をひき、2のもも肉を並べる。軽くこげ目がついたら裏返し、ふたをして弱火で5分ほど蒸し焼きにする。
4 ふたを開け、残った漬け汁をまわしかけ、肉にからめる。
アレンジ④
豚の菜の花巻き照り焼き
下ゆでなしで、菜の花を巻いて焼くだけ。肉に火がとおったら、たれをさっとからめます。
材料とつくり方(2人分)
1 菜の花8本は長さを半分に切る。豚もも薄切り肉4枚(150~200g)を広げ、それぞれ内側に薄力粉を薄くまぶす。
2 豚肉それぞれに菜の花1/4量ずつをのせ、手前から巻く。
3 中火で熱したフライパンにサラダ油少々をひき、2を巻き終わりを下にして並べる。転がしながら火を入れ、全体に軽くこげ目がついたら、酒、みりん、しょうゆ各大さじ1/2を合わせたものを加え、からめる。
※ ※ ※
「たとえ同じ味つけと素材でも、切り方を変えてみる。または、かたまり肉から薄切り肉にするなど部位を変える。それだけで、かなり印象は変化します。食感の違いも、十分、味の違いになるんです」と、ワタナベさんは話します。
おかずのレパートリーを増やすコツは、一度にがらりと変えて、まったく違うものをつくろうとしないこと。たとえば、から揚げなら素材を替えてとり肉を豚肉にする、あるいは衣に青のりを混ぜたり、あられに替えたりなど、風味をアレンジする。
ひとつずつの工夫を掛け算式に増やしていくことで、おかずのバリエーションは驚くほど広がるのです。
「あとは、“巻く” テクニックを覚えておくと便利です。いつもなら肉と野菜と一緒に炒めるところを、くるりと巻いてみる。見た目もどことなくかわいらしくなりますし、お弁当のおかずとして詰めやすく、さらに汁けも出にくくなるのでおすすめですよ」
また、そろえておきたいのが、風味をつけるものあれこれ。
「青のり、ゆずこしょう、七味に山椒。でき上がりにさっとふりかけるだけでも、“いつもの味” から一歩踏み出せますし、調理の途中でちょっと加えると味わいを底上げする隠し味にもなるので、ぜひ活用してください」
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<料理・スタイリング/ワタナベマキ 撮影/kumonmiwa 取材・文/福山雅美 文字/みつ>
ワタナベマキ(わたなべ・まき)
簡単なのに、美しくキレのよい料理を提案。1年に10冊のペースでレシピ本を出版する。近著は『料理家ワタナベマキが家族のために作るごはん』(主婦と生活社)。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです