• 『天然生活』誌上に、2012年11月号から2014年3月号まで掲載された、人気連載「松田美智子の季節の仕事」。その中から、みずみずしい新にんにくの時季に仕込む「にんにく味噌床」を取り上げた記事を紹介します。今回は、にんにく味噌床を使ったお薦めの漬物を紹介します。
    (『天然生活』2013年8月号掲載)

    にんにくパワーで夏バテ知らず  松田美智子

    画像: 「豆腐の味噌漬け」と「セロリの15分漬け」|松田美智子の季節の仕事「にんにく味噌床」

    にんにく味噌を使って
    豆腐の味噌漬け

    しっかりと味の入った酒肴です。漬かりすぎても、味噌に同化してしまうので安心。

    材料(つくりやすい分量)

    ● 木綿豆腐1/2丁
    ● にんにく味噌床(*)

    つくり方

     豆腐は、まな板ではさんで約2/3の厚さになるまで水切りをする。

     を1.5cm幅に切り、豆腐と豆腐の間に味噌を薄くはさむようにして、ペーパータオルに包まず、にんにく味噌床に漬ける。4~6日漬け、味噌を外して盛りつける。

    ※豆腐の水分で漬かり具合が異なるので、漬け時間は加減をみて判断すること。

    にんにく味噌を使って
    セロリの15分漬け

    セロリのように繊維が粗い野菜なら、短時間で味が入ります。即席の箸休めに。

    材料(つくりやすい分量)

    ● セロリ1本
    ● にんにく味噌床(*)

    つくり方

     セロリは筋を取り、5cm長さで1cm幅の棒状に切る。

     にんにく味噌床の中にのセロリをそのまま漬け、15分ほどおく。

     味噌をあらかた取り除き、漬かったにんにくとともに盛りつける。

    *にんにく味噌床のつくり方

    豚肉、とり肉、牛肉から魚や野菜まで、どんな素材でも豊かな味わいになる万能の味噌床。使いつづけることで、うま味が増していくのも楽しみです。みずみずしい新にんにくの時季に仕込みましょう。

    画像: *にんにく味噌床のつくり方

    材料(つくりやすい分量)

    ● 田舎味噌500g
    ● 豆味噌500g
    ● にんにく1玉
    ● 酒1/4~1/2カップ

    つくり方

     にんにくは皮をむき、大きさによって縦半分~4等分に切り、芽を取り除く。

     ボウルに好みの味噌2種と酒を入れて混ぜ合わせる。味噌は、ふだん使っているものと、もう一種は味の系統の違うものを合わせるとよい。

     なめらかに混ざったら、ホウロウなどの密閉容器に移し、のにんにくを空気に触れないように埋め、冷蔵庫で2週間ほどねかせ、なじませる。

    ◇ ◇ ◇

    「味噌やにんにくを足しながら使いつづけて、かれこれ30年になります。豚肉、とり肉、牛たたき、モツァレラチーズ、にんじん、ごぼうと、何を漬けてもおいしいので、にんにく味噌は手離せません」と松田美智子さんはいいます。

    野菜が漬かりすぎても細かくきざめば、お茶漬けの具になるし、炒めものの調味料代わりにもなるので心配無用です。

    味噌汁やドレッシングに加えてコクを出したり、ごま油と紹興酒で溶いて回鍋肉に使ったりと、調味料としても活用できます。

    「にんにく味噌床があれば、野菜の切れ端や、残ったお刺し身、かまぼこなども、漬けるだけで気の利いた一品料理になります。合理的に素材を使いきるというエコの観点からも、役立ちますよ」



    <料理/松田美智子 撮影/川村 隆 取材・文/小松宏子>

    松田美智子(まつだ・みちこ)
    日本料理をベースにした家庭料理の教室を主宰。鎌倉で育った子ども時代から身近だった四季の保存食づくりをベースに、現代の生活でも無理なくできる、季節の食の楽しみを提案。

    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです

    ※ ※ ※

    天然生活の本『季節の仕事』(松田美智子・著)
    天然生活の本
    『季節の仕事』(松田美智子・著)

    天然生活の本『季節の仕事』(松田美智子・著)

    A5判
    定価:本体 1,400円+税
    ISBN978-4-594-08481-3

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