塩気と風味が魅力の「豆豉ねぎ醬(ジャン)」のつくり方を、料理家のワタナベマキさんに教えていただきました。薬味と調味料を合わせるだけで、料理のレパートリーをぐっと広げてくれる手づくり醬。つくりおきにも最適です。シンプルな料理と組み合わせて、お家ごはんを手軽にワンランクアップしましょう。
(『天然生活』2018年3月号掲載)
豆豉ねぎ醬のつくり方
しょうゆをさらに濃厚にしたような、独特の塩けと風味が魅力の豆豉。加熱すると香りが増すので、火を入れてペーストにしておくと便利です。
材料(つくりやすい分量)
● 豆豉(*) | 40g |
● 長ねぎ | 1/2本 |
● しょうが | 1片 |
● にんにく | 1片 |
● 紹興酒 | 50mL |
● 黒酢 | 50mL |
● しょうゆ | 大さじ1 |
● ごま油 | 50mL |
● 白炒りごま | 大さじ2 |
* 蒸した大豆に麹と塩を加えて発酵させた中華食材。
つくり方
1 豆豉、長ねぎ、しょうが、にんにくをみじん切りにする。
2 鍋に1、紹興酒、黒酢、しょうゆを入れて中火にかける。
3 煮立ったら弱火にして、ごま油を加える。約10分煮て、白炒りごまを加える。
※ 冷蔵庫で7日ほど保存可
アレンジ例
蒸し魚
かさご、鯛などの内臓とうろこを取り除く。塩をふって少しおき、出た水分を洗い流す。湯気の上がった蒸し器に入れ、酒をふって10〜12分蒸す。豆豉ねぎ醬を好みの量かけ、ざく切りの三つ葉とともにいただく。
その他のアレンジ例
● ぶた薄切り肉にからめて焼く。
● 厚めに切ったれんこんをソテーし、仕上げにからめる。
● 卵かけごはんのしょうゆ代わり。
● 麻婆豆腐や麻婆なすのソースとして。
● いかとともに炒める。
● 中華麺をゆで、熱いうちに生の豆苗と一緒にあえる。
◇ ◇ ◇
忙しいときも醬さえあれば、豊かなひと皿が完成
料理のお助けアイテムとして、手づくりのペーストを教えてくれたワタナベマキさん。野菜や薬味、さまざまな調味料が混ざったペーストを「醬」と名づけて、日々のごはんに活用しているそう。
「料理のたびに薬味をきざみ、調味料の計量をするのは少し大変。でも、自家製醬には料理の下味や仕上げに用いるものが多く含まれているので、時間を短縮しながら、完成度の高い味になるんです」
香りのよい薬味や野菜、うま味がある乾物やナッツ、それにオイルが基本のベース。ねぎやにら、きのこなどの野菜をたっぷり使っているのもうれしいポイント。軽く火をとおしてあるので野菜のかさが減り、気がつくとたくさん食べてしまっています。気になる日持ちは、冷蔵庫で1週間ほど。
「2種類ほどつくって、下味、ソース、ディップなど、ひととおり使ってみてください。薬味やスパイスはお好みで足したり引いたりすれば、自分だけの味に」
忙しくてつくりおきをする時間や材料がないときにも、醬さえあれば、焼いただけの野菜やお肉が、豊かなひと皿に変身するのです。
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〈料理・スタイリング/ワタナベマキ 撮影/川村 隆 取材・文/河合知子〉
ワタナベマキ(わたなべ・まき)
夫、中学生の長男との3人暮らし。シンプルな手順で野菜をたっぷり、家族が喜ぶレシピで人気を集める。雑誌や書籍、テレビなど、多岐にわたって活躍中。近著に『ワタナベマキの10の定番弁当』(扶桑社)amazonで見る 。インスタグラム:@maki_watanabe
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです