味わい深い「マッシュルーム醬(ジャン)」のつくり方を、料理家のワタナベマキさんに教わりました。薬味と調味料を合わせるだけで、料理のレパートリーをぐっと広げてくれる手づくり醬。つくりおきにも最適です。シンプルな料理と組み合わせて、お家ごはんを手軽にワンランクアップしましょう。
(『天然生活』2018年3月号掲載)
マッシュルーム醬のつくり方
芳醇なきのこと香ばしく濃厚なくるみが主役のペースト。香りが強いブラウンマッシュルームを使うと、味わいがより深まります。
材料(つくりやすい分量)
● マッシュルーム | 20個 |
● くるみ | 50g |
● にんにく(つぶしたもの) | 1片分 |
● ローリエ | 1枚 |
● 粗びき黒こしょう | 少々 |
● オリーブオイル | 80mL |
● A | |
・白ワイン | 120mL |
・塩 | 小さじ1 |
・バルサミコ酢 | 大さじ1 |
つくり方
1 マッシュルームは石づきを取り、4等分する。
2 鍋にオリーブオイル大さじ1(分量外)とにんにくを入れて、中火にかける。
香りが立ったら1、くるみ、ローリエを入れてさっと炒め、Aを加えてひと煮立ちさせ、あくを取る。
3 2にオリーブオイルを加えて弱火で約12分煮る。火を止め、ローリエを取り出し、粗びき黒こしょうを加える。
4 3の粗熱が取れたら、フードプロセッサーでなめらかになるまで攪拌する。
※ 冷蔵庫で7日ほど保存可
アレンジ例
マッシュルームのディップ
食べやすい大きさに切ったバゲットなどに、好みの量のマッシュルーム醬をぬる。
アレンジ例
パセリとマッシュルームのショートパスタ
好みのショートパスタ(写真はオレキエッテ)をゆでる。マッシュルーム醬、みじん切りのパセリ、ゆで汁少々とともにあえ、仕上げに香りのよいオリーブオイルをかける。
その他のアレンジ例
● スティック野菜のディップに。
● 蒸したじゃがいもとあえてポテトサラダ風に。
● クリームシチューの隠し味。
● 牛乳に加えて温めて、マッシュルームのポタージュ。
● パリッと焼いたとり肉とともに。
● スナップえんどうなどの春の豆類をゆでてあえる。
◇ ◇ ◇
忙しいときも醬さえあれば、豊かなひと皿が完成
料理のお助けアイテムとして、手づくりのペーストを教えてくれたワタナベマキさん。野菜や薬味、さまざまな調味料が混ざったペーストを「醬」と名づけて、日々のごはんに活用しているそう。
「料理のたびに薬味をきざみ、調味料の計量をするのは少し大変。でも、自家製醬には料理の下味や仕上げに用いるものが多く含まれているので、時間を短縮しながら、完成度の高い味になるんです」
香りのよい薬味や野菜、うま味がある乾物やナッツ、それにオイルが基本のベース。ねぎやにら、きのこなどの野菜をたっぷり使っているのもうれしいポイント。軽く火をとおしてあるので野菜のかさが減り、気がつくとたくさん食べてしまっています。気になる日持ちは、冷蔵庫で1週間ほど。
「2種類ほどつくって、下味、ソース、ディップなど、ひととおり使ってみてください。薬味やスパイスはお好みで足したり引いたりすれば、自分だけの味に」
忙しくてつくりおきをする時間や材料がないときにも、醬さえあれば、焼いただけの野菜やお肉が、豊かなひと皿に変身するのです。
やみつきになる中華風「ねぎにら醬」 >>
ごはんによく合う「山椒おかか醬」 >>
魚介とトマトのうま味たっぷり「トマト帆立醬」 >>
手軽にアジアンテイスト「干しえびパクチー醬」 >>
大豆のうま味を凝縮「豆豉ねぎ醬」 >>
〈料理・スタイリング/ワタナベマキ 撮影/川村 隆 取材・文/河合知子〉
ワタナベマキ(わたなべ・まき)
夫、中学生の長男との3人暮らし。シンプルな手順で野菜をたっぷり、家族が喜ぶレシピで人気を集める。雑誌や書籍、テレビなど、多岐にわたって活躍中。近著に『ワタナベマキの10の定番弁当』(扶桑社)amazonで見る 。インスタグラム:@maki_watanabe
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです