• ボタニカルライフプランナーの末吉真由美さんに、夏の疲れをいたわる「お疲れさまの乳液のつくり方」を教えていただきました。クロモジのすがすがしい森の香りと、オレンジフラワーの華やかな香りがまじりあったさわやかな香りの乳液は、見た目も美しいブルーで、肌と心を癒してくれます。ぜひ一日の終わりのスキンケアに使ってご自身をいたわってくださいね。

    肌の夏疲れについて

    画像: 肌の夏疲れについて

    夏を後にして、一雨一雨ごとに涼しさを感じる今日この頃。過ごしやすくなってくると同時に、夏の疲れが出やすい時期でもあります。夏の間は、汗や皮脂の分泌とエアコンによる乾燥、さっぱり志向のお手入れによる保湿不足、冷房による冷え、熱帯夜による睡眠不足など、肌にとって負荷のかかる状態だったと思います。

    これが秋になり、朝と夜の気温差が大きくなっていくにつれて、自律神経が乱れやすくなっていきます。自律神経が乱れると血液循環が悪くなって、新陳代謝が乱れたり、肌がもともと持っている水分保持能力が下がったりします。

    今回は、そんな夏疲れが出てくる肌を「1日お疲れさま」といたわってくるような乳液のつくり方をご紹介したいと思います。クロモジとオレンジフラワーで心癒す香りに仕上げました。

    心が穏やかになるように、乳液の色にもこだわってみました。バタフライピーという植物を使って美しいブルーの色を出します。それでは植物のことから一つひとつお話しします。

    日本を代表する森の香り、クロモジのこと

    画像: 日本を代表する森の香り、クロモジのこと

    クロモジは、伊豆地方を中心に、四国や本州、九州に生育する植物です。葉や茎からとれる精油はとても希少価値が高く、日本を代表する森の香りがします。緑の葉に黒い斑点ができることから「黒文字(クロモジ)」と呼ばれています。

    クロモジの精油には、殺菌、防虫、消臭効果などがあり、また、心をリラックスしたり、リフレッシュする効果もあるといわれています。

    手作りコスメ愛好家の間では、香りの良さはもちろんのこと、保湿作用や傷を治す効果を期待して、クロモジの精油を選ぶことも少なくありません。

    美しいブルーのハーブティーができる、バタフライピーのこと

    画像: 美しいブルーのハーブティーができる、バタフライピーのこと

    バタフライピーは赤道付近の熱帯地域に生育するマメ科の植物です。大きく開いた花びらが「バタフライ(蝶々)」に似ていて、そこに「ピー(豆)」を付けたのが名前の由来だといわれています。タイではエイジングケアとして人気のあるハーブで、「アンチャン」と呼ばれています。

    バタフライピーのハーブティーは、ガラスのカップで入れると、きれいな青色のお茶が楽しめます。この青色を取り入れ、夜のスキンケア時に自分自身を「お疲れさま」といたわるような乳液をつくりたいと思います。

    オレンジフラワーのこと

    画像: オレンジフラワーのこと

    オレンジフラワーは、ネロリとも呼ばれます。ネロリは、ビターオレンジの花からとれる精油で、17世紀にイタリアのネロラ公国の公妃アンナ・マリアが愛用したことに由来しています。

    ネロリの精油は、花の香りが最も強い早朝に、一つひとつていねいに手摘みされた花を、水蒸気蒸留してつくられます。この時、同時につくられる芳香蒸留水がオレンジフラワーウォーターです。

    ネロリの精油は、高価で貴重なものですが、オレンジフラワーウォーターは、水に溶ける芳香成分をたくさん含み、スキンケアにおすすめの香る水です。

    花を感じ、草を感じ、大地を感じるほんのりとした苦味が、疲れた心と肌に潤いと温かみを与えてくれるような香りで、私は大好きです。

    椿油のこと

    画像: 椿油のこと

    椿油は、平安時代から主に髪や頭皮ケアに使われてきた伝統的なオイルで、日本の藪椿(ヤブツバキ)の種子から採取されます。

    椿油の主成分はオレイン酸。これはオリーブ油に含まれることで知られていますが、椿油にはオレイン酸がオリーブ油以上に多く含まれていることがわかっています。オレイン酸は、皮脂の成分に近いため、美容オイルとしても注目されています。

    椿油は、老舗の製油所で昔からの伝統製法を守りながら丁寧に採油しているところが多く、高価ではありますが、安心安全を手作りにいかせると思っています。

    シアバターのこと

    画像: シアバターのこと

    シアバターは、アフリカのシアバターの木の実から取れる油脂で、肌に潤いを与え、乾燥から守ってくれます。重すぎないテクスチャーで、そのままクリームとしても使うことができます。今回、このシアバターを、乳液づくりの油分として使います。

    乳液づくりに便利なアイテム、ミニミルクフォーマー

    画像: 乳液づくりに便利なアイテム、ミニミルクフォーマー

    乳液は、水分と油分をかき混ぜて、乳化してつくります。100円ショップなどで売っている電池式の小さなミルクフォーマーは、回転数が早く、手混ぜでは限界がある乳化を簡単にしてくれるアイテムです。

    お疲れさまの乳液のつくり方

    画像: お疲れさまの乳液のつくり方

    材料(できあがり100mL)

    ● 椿油8g
    ● 乳化ワックス(*1)3g
    ● シアバター(*1)2g
    ● バタフライピー(*2)5g
    ● オレンジフラワーウォーター(*3)45g
    ● クロモジ精油(*3)3適
    ● ポンプタイプの遮光瓶(*1)100mL用

    *1 : アロマテラピー専門店や手作りコスメ材料店で購入できます。
    *2 : ハーブティー専門店で購入できます。
    *3 : アロマテラピー専門店で購入できます。

    つくり方

     耐熱容器(ビーカー)に1.5gのバタフライピーをはかりとります。(これをビーカーAとします)

    画像1: つくり方

     そこに45gのオレンジフラワーウォーターを入れて、ガラス棒でよく混ぜ、そのまま5分放置しておきます。

    画像2: つくり方

     別のビーカーに乳化ワックス3g、椿油8g、シアバター2gを入れます。(これをビーカーBとします)

    画像3: つくり方

     ビーカーAとビーカーBを湯せんにかけ、湯せんの温度を80度にします。

    画像4: つくり方

     ビーカーBの油脂が全部溶けて透明になったら、両方のビーカーを湯煎から出します。

    画像5: つくり方

     ビーカーBにビーカーAの水分を加えながらよく混ぜます。

    画像6: つくり方

     ミルクフォーマーで混ぜ、時折、ガラス棒で全体をかき混ぜてください。

    画像7: つくり方

     ふわふわっとしてきたら、クロモジ精油を3滴加え、よく混ぜてください。

    画像8: つくり方

     遮光瓶に入れて出来上がりです。

    画像9: つくり方

    このお疲れさまの乳液は、水にとても近いさらっとしたテクスチャーで、コッテリしすぎるのが苦手な方、男性、皮脂分泌が多い人にも試していただきたいいレシピです。

    1日の終わりにヒーリング効果のある美しい青色のクリームと、ほっとする温かみのある香りでリラックスしてくださいね。

    次回は、乾燥する季節に喉をいたわる、ハーブを浸出させた蜂蜜「スロートハニー」のつくり方をご紹介しますね。どうぞお楽しみに。



    画像10: つくり方

    末吉 真由美(すえよし まゆみ)
    暮らしの植物アロマケミスト/恋する石けん®︎研究家
    (公社)日本アロマ環境協会資格認定校フェールマヴィ校長
    日本メディカルハーブ協会認定ハーバルセラピスト

    家族と暮らしのハウスキーピング品やコスメ、恋する石けんワークを通して地域で生き生きと活躍する女性を増やすことが使命。

    ●ウェブサイト:フェールマヴィ
    https://fairemavie.com
    ●Instagram:@fairemavie.mami
    https://www.instagram.com/fairemavie.mami/
    ●公式 LINE
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