(『天然生活』2013年3月号掲載)
パンを主役に奏でるハーモニー
「人を感動させるパンをつくる」
パンの道ひと筋、半世紀以上、「シェ カザマ」の店主・風間豊次さんの信念です。
小麦のうま味を味わえるシンプルなパンを追求する一方、見た目に楽しい “飾りパン” にも力を入れ、魚やハートの形に焼き上げたパンの中をくりぬいてサンドイッチを詰めた「パン・ド・リオレ」も店の名物です。
創業当時からあるフルーツサンドは、ずっと変わらない味。
弟子にまかせず、いまも必ず風間さんが手がけます。
「フルーツサンドは全体のハーモニーが重要」という風間さん。缶詰のブルーベリーを、具材だけでなく、果汁ごとパンにも練り込んでいます。
「ブルーベリーは、ほかのフルーツともクリームとも相性がいいんです。うちは、じっくり発酵させてつくるパンがおいしいから、フルーツはブルーベリーと季節のものを2種類だけ。バニラビーンズで風味豊かに仕上げた自家製のカスタードクリームを使うのもポイントで、生クリームとは違った濃厚な味わいが楽しめますよ」
嚙むほどにうま味を増すパン、コクのあるカスタードクリームとフルーツの絶妙なバランス。素朴ながら、記憶に残る味わいです。
「目でも舌でも楽しませて、また食べたいなって思わせないとね。まだまだ現役。やりつづけますよ」
シェ カザマのフルーツサンド
おいしい法則
1 毎朝つくるカスタードクリーム
素朴な味わいのカスタードクリームは、クリームパンにも使う自家製のもの。バニラビーンズで風味を出し、甘さは控えめに。
2 特製のブルーベリーパン
ブルーベリーサンドには、果汁を練り込んだマーブル模様のパンを使用。甘酸っぱいブルーベリーパンは見た目にも美しい。
3 パンの風味を生かしてできるだけシンプルに
パンとのバランスを考えて、クリームは少なめ。サンドする具材にはブルーベリーと季節のフルーツの2種類のみを使用する。
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シェ カザマ
東京都千代田区一番町10 一番町ウエストビル1F
TEL.03-3263-2426
http://www.chez-kazama.jp/
〈撮影/川村 隆 取材・文/熊坂麻美〉
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです