視線の先の、小さな花。そのささやかな存在が、肩の力を抜いてくれます。好きな花を、ただ一輪。そこから空気が、温かに変わっていくのです。そんな、暮らしを彩る小さな花しつらいについて、フラワースタイリストの平井かずみさんに伺いました。今回は、花の終わりまで愛でる一輪挿しの花生けを教わります。
(天然生活2023年2月号掲載)
(天然生活2023年2月号掲載)
花のすべてのときを慈しむ
思うままに伸びゆく姿。その一輪を、終わりまで愛でる。
花材:チューリップ
花器:辻野 剛さんの吹きガラスの花器/口径6×高さ17(ステムの高さ7)cm
一輪挿しの楽しさは、その花ひとつと向き合えること。
とくにチューリップをはじめとする球根花は、水を吸いながら茎が伸びやかに生長し、切り花もまさに“生きている”ことを知らせてくれます。
つぼみから、花芯を見せながら散っていくまで。
手軽ともいえる一輪挿しですが、花のすべてのときを慈しむ、深みのある花生けです。
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<スタイリング/平井かずみ 撮影/徳永 彩 取材・文/福山雅美>
平井かずみ(ひらい・かずみ)
フラワースタイリスト。花の教室「木曜会」や全国でのワークショップを開催。2022年から新たな出会いの場として東京・恵比寿に「皓 SIROI」と名付けたアトリエをオープン。 https://www.hiraikazumi.com/
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです