「水苔植え」の手順
水苔を乾きにくくするために畑に直径約50cm、深さ約30cmの穴を掘って苗を植えます。
穴底の苗に日ざしが当たるよう穴の周囲には傾斜をつけます。
穴底には水を含ませた水苔を敷き、根鉢を包むようにして苗を置きます。
水苔の高い保水力で水不足を防ぐと同時に、通気性が高いので、根の呼吸が妨げられる心配もなく、根腐れを防げます。
準備するもの

園芸用の乾燥水苔。湿地帯に生息するコケの一種で、ランの植え込み材によく使われる。
今回は、1株につき乾燥時150gの水苔を使用。水苔は水に浸すと10kgほどに膨らんだ。
手順
1 水を入れたバケツに水苔を浸して半日ほどおく。ほぐすとバラバラになって使いにくいのでかたまりのまま水でもどす

2 畑に直径約50cm、深さ約30cmの穴を掘って元肥を入れ、1cmほどの厚さで土を戻す

3 水を吸って膨らんだ水苔を穴底に入れ、中心に根鉢を置くためのくぼみをつくる

4 ナスの苗は、植えつけ前に根鉢に十分に水を含ませておく。植え穴に置いたら根鉢を水苔で包む

5 水苔が隠れるように覆土し、根鉢の上から手のひらで軽く押さえて苗を安定させ、植えつけ完了

本記事は、『家庭菜園の超裏ワザ』(家の光協会)からの抜粋です。
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<撮影/阪口克>
和田義弥(わだ・よしひろ)
1973年茨城県生まれ。フリーライター。20〜30代前半にオートバイで世界一周。40代を前にそれまで暮らしていた都心郊外の住宅街から、茨城県筑波山麓の農村に移住。昭和初期建築の古民家をDIYでセルフリノベーションした後、丸太や古材を使って新たな住まいをセルフビルド。約5反の田畑で自給用の米や野菜を栽培し、ヤギやニワトリを飼い、冬の暖房を100%薪ストーブでまかなう自給自足的アウトドアライフを実践する。著書は『増補改訂版 ニワトリと暮らす』(グラフィック社)、『一坪ミニ菜園入門』(山と渓谷社)など多数。