• 茨城・筑波山麓で自給自足的暮らしを送るフリーライター・和田義弥さん。著書『家庭菜園の超裏ワザ』は、家庭菜園誌『やさい畑』の人気連載をまとめた、ちょっと過激でユニークな栽培実験の記録です。今回は、本書のなかから納豆液でオクラのネバネバを増強する荒ワザを紹介します。

    実験結果
    納豆液によるネバネバ増強効果を検証

    収穫がピークを迎える8月上旬に、その日6〜10cm程度に育っていた食べごろの実をいっせいに収穫しました。

    画像: オクラのさやは1日で数センチ大きくなるので、とり遅れないように収穫する。さやを収穫したら、併せて下葉も落とし、株元の風通しをよくしておく

    オクラのさやは1日で数センチ大きくなるので、とり遅れないように収穫する。さやを収穫したら、併せて下葉も落とし、株元の風通しをよくしておく

    オクラの場合、さやのサイズは収穫のタイミングで異なり、育ちすぎるとかたくなって食味が落ちるため、大きさや収量による比較はしにくいのですが、断面を見ると「納豆液栽培」のほうが平均して肉厚に見えます。

    かたさは感じられず、むしろネバネバに混じる種のプチプチした食感が増し、オクラならではの味わいを高めています。

    本題である粘りは、8本のオクラを包丁で細かく刻み、器に入れてよくかき混ぜたものを、次の方法で比較しました。

     箸で持ち上げて粘りが切れずに到達する高さ。

     オクラを載せた皿を逆さにして落下するまでの時間。

    結果は下に示したとおり、粘り強さでは「納豆液栽培」に軍配が上がりました。

    納豆液栽培

    画像3: オクラの「ネバネバ実験」納豆液で粘り増強!? 家庭菜園の超裏技! ちょっと過激でユニークな栽培実験/和田義弥さん

    普通栽培

    画像4: オクラの「ネバネバ実験」納豆液で粘り増強!? 家庭菜園の超裏技! ちょっと過激でユニークな栽培実験/和田義弥さん
    画像5: オクラの「ネバネバ実験」納豆液で粘り増強!? 家庭菜園の超裏技! ちょっと過激でユニークな栽培実験/和田義弥さん
    画像6: オクラの「ネバネバ実験」納豆液で粘り増強!? 家庭菜園の超裏技! ちょっと過激でユニークな栽培実験/和田義弥さん

    太く肉厚な果実に

    同サイズの「普通栽培」と断面を比較すると、若干肉厚で種がより大きく育っている。切り口には強い粘りがみられた

     

    サンプルとして8本を収穫。若干の曲がり果やイボ果がみられるが、虫害や日照不足などが原因と思われる。「納豆液栽培」も同様

     粘り強度を比較

    画像7: オクラの「ネバネバ実験」納豆液で粘り増強!? 家庭菜園の超裏技! ちょっと過激でユニークな栽培実験/和田義弥さん
    画像8: オクラの「ネバネバ実験」納豆液で粘り増強!? 家庭菜園の超裏技! ちょっと過激でユニークな栽培実験/和田義弥さん

    長さ25%アップ

    「納豆液栽培」は約33cm。オクラのつかみ方や量にも左右されるが、感覚的にも、「納豆液栽培」のほうが粘りが強かった

     

    細かく刻んで皿に盛ったオクラを箸で持ち上げ、ネバネバの伸びを定規で計測する。「普通栽培」は約26cm

     粘り強度を比較

    皿を逆さにして、落下するまでの時間を計測した。

    画像9: オクラの「ネバネバ実験」納豆液で粘り増強!? 家庭菜園の超裏技! ちょっと過激でユニークな栽培実験/和田義弥さん
    画像10: オクラの「ネバネバ実験」納豆液で粘り増強!? 家庭菜園の超裏技! ちょっと過激でユニークな栽培実験/和田義弥さん

    落下までの時間 9.89秒

    粘り強く重力に耐え、耐久時間が3秒延びた!

    落下までの時間 6.91秒

    本記事は、『家庭菜園の超裏ワザ』(家の光協会)からの抜粋です。

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    <撮影/阪口克>

    和田義弥(わだ・よしひろ)
    1973年茨城県生まれ。フリーライター。20〜30代前半にオートバイで世界一周。40代を前にそれまで暮らしていた都心郊外の住宅街から、茨城県筑波山麓の農村に移住。昭和初期建築の古民家をDIYでセルフリノベーションした後、丸太や古材を使って新たな住まいをセルフビルド。約5反の田畑で自給用の米や野菜を栽培し、ヤギやニワトリを飼い、冬の暖房を100%薪ストーブでまかなう自給自足的アウトドアライフを実践する。著書は『増補改訂版 ニワトリと暮らす』(グラフィック社)、『一坪ミニ菜園入門』(山と渓谷社)など多数。



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