(『天然生活』2023年5月号掲載)
私の好きなハーブたち

ハーブをこよなく愛する、フランス人イラストレーターのイザベル・ボワノさん。
いろいろなハーブを楽しむイザベルさんですが、バジル、ミント、パセリ、コリアンダー、タイム、ローズマリーの6つはとくにお気に入り。定番として常備しているのだそう。
それぞれのハーブの特徴を教えてもらいました。

コリアンダー

不思議といつも、にんじんと組み合わせたくなるハーブ。
中東やアジアを思い起こさせてくれる香りも好きで、きざんでサラダに混ぜ込むと、普通のサラダと違う! と食べた人が驚く様子も楽しいです。
ひよこ豆のような、フラットな味の食材にアクセントを効かせてくれる名脇役。
ミント

あらゆる料理に合う万能なハーブですが、私はお菓子や飲み物に使うことが多いです。
フレッシュミントは長持ちするうえに、香りを嗅ぐだけで吐き気や頭痛が和らいで、気分がすっきりするので重宝しています。
いつでも使えるように、乾燥させたものも常備しています。
パセリ

冬野菜にも夏野菜にも合うので、一年中いろんな料理に使っています。
ふだんの食事では摂りにくい鉄分が多く含まれているので、なるべくふんだんに入れてたっぷり食べるよう心がけています。
いくつか種類がありますが、葉っぱが平たいイタリアンパセリが好みです。
バジル

理屈抜きに大好きなハーブ。
香りがよく、夏の味そのものという感じ。
バカンス先のマルシェで山盛りのバジルを見かけると思わず買って、夏野菜でラタトゥイユをつくったり、ごくシンプルにパンにチーズとバジルをのせてオリーブオイルをかけたタルティーヌを楽しんだりします。
ローズマリー

肉料理やソーセージのグリルに欠かせないハーブ。
ローストチキンをつくるときは丸鶏の中にローズマリーをたっぷり詰めて焼くのが定番で、フライドポテトにも少しちらして香りをつけます。
咳込むときはティザンヌ(ハーブティー)にしたり、足湯に入れてリラックスしたりといやし効果もあります。
タイム

驚くほど強い味と香りを秘めた小さくてかわいい葉っぱ。
フレッシュでも乾燥でも香りが高く、野菜や肉のグリルはもちろん、甘いものとも相性抜群。
とくにアプリコットとの組み合わせが好きで、ジャムやタルトをつくるときに入れたくなります。
山羊のチーズにかけるのも好き。
〈撮影・イラスト/イザベル・ボワノ 取材・文/トリコロル・パリ(荻野雅代、桜井道子) 構成/鈴木麻子〉

イザベル・ボワノ(いざべる・ぼわの)
フランス・アングレーム在住のイラストレーター。雑誌の連載や本の執筆、雑貨のイラストなど幅広く活躍中。著書にNHK Eテレの人気番組を書籍化した『パリジェンヌの田舎暮らし』(パイ インターナショナル)など。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです