前回に引き続き、「暮らしの工夫」をシリーズでお届けしていきます。
たとえば食材や生活用品をむだなく使う方法や、ほかのかたちで生かすアイデアなど……。
ふだん私が暮らしのなかで楽しんでいることを、いくつかお話ししていこうと思います。
今回は「布小物や洋服のお直し術」。
特別な道具は使わず、身のまわりにあるもので手軽に気負わずできる方法を、いくつかご紹介していきますね。
簡単でかわいい! 靴下の穴や擦り切れの繕い
小学校2年生のときに学校に行かない選択をした長男が、なんとこの春から中学校に毎日登校するようになりました。
慣れない集団生活に戸惑いつつ、新しくできた友人とも楽しく過ごしている様子。
楽しみは、彼のリクエストに応えた毎日同じメニューのお弁当(粉ふきいも、ピーマンの炒めもの、ソーセージ、卵焼き、塩おにぎり)。
学校から帰ってきてからのおやつも、今のところ欠かせない楽しみのようです。
毎日活動的に過ごしているからなのか、目立ってきたのが靴下の穴や擦り切れ。
流行のダーニングもかわいいけれど、ちょっと気合が必要。糸との色合わせも悩むものです。
そんなときは、返し縫いだけでできる簡単な補修を。
まず、擦り切れだけの場合は、気になる箇所に石ころをあて、輪ゴムでしばってその部分をチクチク「返し縫い」(5mmほど縫ったらその縫い幅の倍ほどの場所に針先を出し、また5mm縫う、を繰り返す)。
縫う方向や縫い幅をランダムにすると、まるでごはんの上のごま塩みたい!
簡単なのに意外とかわいく仕上がります。
ダーニングと違って地の色となじみやすいので色合わせもあまり気にせず進められますよ。

ランダムな縫い目がかわいい、靴下のお直し
穴が大きい場合は、裏側にカットソーなどのはぎれをあてがい、同じようにチクチク「返し縫い」してください。同じ方法でセーターやニットもお直しできます。
わが家では直して使い続けるのが当たり前となっているので、子どもたちも夫も穴があいたり、あきそうになると、私のもとに持ってきてくれます。
一度良かれと思って娘の好きなモチーフを派手な色で繕ったところ、お友達の目にとまって恥ずかしい思いをしたらしく、それ以降娘からは「これは目立たない色でやってね!」と念をおされることもありますが。
〈写真・文/美濃羽まゆみ 構成/山形恭子〉

美濃羽まゆみ(みのわ・まゆみ)
服飾作家・手づくり暮らし研究家。京町家で夫、長女ゴン(2007年生まれ)、長男まめぴー(2013年生まれ)、猫2匹と暮らす。細身で肌が敏感な長女に合う服が見つからず、子ども服をつくりはじめたことが服飾作家としてのスタートに。
現在は洋服制作のほか、メディアへの出演、洋裁学校の講師、ブログやYouTubeでの発信、子どもたちの居場所「くらら庵」の運営参加など、多方面で活躍。著書に『「めんどう」を楽しむ衣食住のレシピノート』(主婦と生活社)amazonで見る 、『FU-KO basics. 感じのいい、大人服』(日本ヴォーグ社)amazonで見る など。
ブログ:https://fukohm.exblog.jp/
インスタグラム:@minowa_mayumi
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