シンプルななかに個性が光る浴衣の世界
浴衣を「きちんと着なくちゃ」と思っている方もいるかもしれませんが、そのシンプルな形を生かして“自分の個性が光る着方”を楽しめるのが素敵なところ。
襟の角度、帯の位置を変えるだけで、表情ががらりと変わります。
「今回はどなたでも自分で着られる基本の着付けを紹介しますが、ぜひ“着ながらデザインする”感覚で楽しんでください。その際、浴衣や帯を無理やり形づくろうとせず、布目をそろえることを意識して。浴衣にとって心地よく、自分にとって楽な着付けが見つかると、とても気持ちよく着られます」

Step1 必要なものを用意する
浴衣の着付けに必要なものを用意します。
自宅にあるものを使いながら「基本のもの」と「あるといいもの」をそろえてみましょう。

浴衣の着付けに必要な基本のもの
① 浴衣
② 半幅帯
③ 腰ひも 3本
④ 伊達締め 1本
⑤ 着物ベルト 1本
⑥ 浴用タオル 2~3枚
⑦ 着物用ピンチまたは洗濯ばさみ 1つ
浴衣姿を楽しむためにあるといいもの
⑧ 下駄
⑨ ハンドバッグ
Step2 体型を補正する
浴衣を羽織る前に、タオルを使って体型を補正します。
〈使用するもの〉
・浴用タオル 2~3枚
・腰ひも 2本
着物のようにしっかりと補正する必要はありませんが、しておくことで次のような効果があります。
● 体型をまっすぐにして着崩れしにくくする
● 体との間にクッションができ、ひもを締めたときに痛くなく、苦しくない
● タオルが汗を吸い取り、汗染みなどを防いで浴衣が傷みにくくなる
腰回りを補正する
※写真ではタンクトップの上から巻いていますが、実際に着付けする際は下に巻いてください。
1 タオル1枚を横に三つ折りにし、へその位置で体の後ろ側から巻く。



point
腰のあたりがほっそりしていると、腰ひもを結んだときにギャザーができて裾が広がってしまうことがある。その場合、三つ折りしたタオルと体の間に、体のくぼみ加減に合わせてたたんだタオルを1枚挟むとよい。

2 体の前側から、タオルをおさえるように腰ひもを巻く(ぎゅっと締めすぎない)。背中側でクロスさせて、腰ひもの両端を体の前側にもってくる。


3 腰ひもの両端を挟み込む。腰回りの補正が完了。

胸元を補正する
4 タオルの片方の端が三角形になるように折り、三角形の先端が谷間の位置にくるように当てる。





point
タオルで補正することで胸元のラインが平らになり、着崩れしにくくなる。
5 タオルのあまった部分は蛇腹折りにし、上半身に沿わせる。


6 体の前側から、タオルをおさえるように腰ひもを巻く(ぎゅっと締めすぎない)。背中側でクロスさせてぐるっと巻き、腰ひもの両端を背中側に挟み込む。胸元の補正が完了。


point
腰ひもを強く締めると痛いので、「体に近いひも(補正の腰ひもなど)はやさしく、体から遠いひも(伊達締め、帯など)は強く締める」を意識すると楽に着られる。
〈撮影/星 亘 モデル/岡田菜友子(編集部) 文/太田菜津美(編集部)〉
熊谷宏子(くまがい・ひろこ)

茶道講師。着物コンサルタント。大学卒業後、コンピュータ関係のエンジニアとして勤務するが、数年後に体調を大きく崩し退職。今後の生き方と人並みの健康を模索するなか、東京・表参道のきゆるぎ治療院と出合う。きゆるぎの治療、セミナーでの学びにより、虚弱体質から一転、人生を大きく変容させた経験を活かし、「本当の健康」「本来の魅力を発揮すること」を世に広く伝えることを目標に、「なでしこ講座」をはじめ、さまざまな講座やヒーリングを行っている。
インスタグラム@nadeshiko.minori