• 2023年6月、ALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断されたまさこさん。少しずつ体が動かなくなっていく進行性の病気とともに生きながら、家族との一日一日を大切に過ごしています。このエッセイでは、まさこさんの日々の暮らしや思い、そして、喫茶店の店主として、母として、数々の料理をつくり続けてきたまさこさんの“未来に届けたいレシピ”などをつづっていきます。今回は、「介護の日々の中で気づいた小さな幸せ」のお話です。

    新年のごあいさつ

    新しい年が始まりました。

    少し遅くなってしまいましたが、皆さま、あけましておめでとうございます。

    こうしてまた言葉を届けられることを、心からうれしく思っています。

    前回の更新から、ずいぶんと時間が空いてしまいました。楽しみにしてくださっていた方には、本当に申し訳ありません。

    体調の波に揺らされながら過ごす日々のなかで、書きたい気持ちはありながらも、言葉を形にする余裕を持てない時期が続いていました。

    画像: 新年のごあいさつ

    介護のこと

    辛いこと、苦しいこと、悲しいこと。日々のなかで、数えきれないほどあります。病気の進行とともに、介護に頼る割合は確実に増えていきました。

    それに比例するように、家族の負担も大きくなり、気づけば、支える側も、支えられる私自身も、お互いに疲弊していく時期がありました。

    誰かが悪いわけではないのに、小さな言葉が刺さり、沈黙が重くのしかかる。

    「大丈夫? ごめんね」と「もう無理かもしれない。このまま生きていていいのかな」の間を、行ったり来たりしながら過ごす日々でした。

    画像: 介護のこと

    介護は、想像以上に難しいものです。手を借りる側も、差し出す側も、どちらもが傷つかない形を探し続けなければならない。

    正解はなくて、迷いながら、立ち止まりながら、それでも一緒に生きていく方法を探していく。それが、今の私が考える、在宅における「介護」の形です。

    あるとき、「いちばん辛いことは何だろう」と自分に問いかけてみました。その答えは、思っていたものとは違いました。

    私にとっていちばん辛かったのは、自分が病気になったことそのものではなく、『大切な人を苦しめてしまったこと』だったのです。

    そう気づいた瞬間、心の中に優先順位が生まれました。何にいちばん胸が痛むのかが分かったことで、少しだけ、呼吸が楽になりました。

    小さな幸せ

    画像: 小さな幸せ

    最近、ほんのわずかな変化に気づくようになりました。

    うまくいかない日があっても、翌日にはまた、家族で同じ食卓を囲んでいること。

    言葉が足りなくても、そばにいるだけで伝わる安心があること。

    介護の毎日は、決して明るいことばかりではありません。

    それでも、今日を一緒にやり過ごせたという事実が、明日へつながる小さな希望になる。

    いまは、この小さな幸せをかみ締めながら、暮らしています。

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    ▼天然生活web「難病ALSとともに生きる」

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    ▼2026年3月21日に、待望のレシピ本が発売!

    『もしもキッチンに立てたなら 難病ALSのママが綴るいのちのレシピ』(はらだまさこ・著/徳間書店・刊)

    画像1: 難病ALSの進行で増えてしまう「家族の介護」に頼る日々。行ったり来たり、迷いながら気づいた"小さな幸せ"明日への希望|難病ALSとともに生きる/まさこ

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    4才と12才の子の母であり、シェフのまさこさん。3年前、難病ALSだと診断を受けました。治療法が確立されていない進行性の病気です。

    「子どもたちに”母の味”を残したい」

    病と向き合う著者がそんな願いを胸に綴った、料理が好きな人や、家族を大切に思うすべての人に届けたい胸に深く響くエッセイ&レシピ集です。

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    ▼レシピ本に関する取材動画はこちら『ABEMA Prime』

    画像2: 難病ALSの進行で増えてしまう「家族の介護」に頼る日々。行ったり来たり、迷いながら気づいた"小さな幸せ"明日への希望|難病ALSとともに生きる/まさこ

    https://youtu.be/R2ch-NSRExI?si=Z6vvQDfmXPdVKOQG

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    ▼『FBS福岡放送ニュース』の取材動画

    画像3: 難病ALSの進行で増えてしまう「家族の介護」に頼る日々。行ったり来たり、迷いながら気づいた"小さな幸せ"明日への希望|難病ALSとともに生きる/まさこ

    https://youtu.be/Gvp1U12mPVo?si=3Q2WyfGEejuLW7Cs


    〈撮影/いわいあや 協力/田中 文(キッチンパラダイス)〉

    まさこ
    1981年、喫茶モーニングの街・愛知県豊橋市に生まれる。カフェオーナーだった賢介さんと結婚し、家族で日本と海外を行き来する生活を送った後、2018年に福岡でカフェ「サウンズフード サウンズグッド」をオープン。2021年、長女・琳さんを出産後、足から違和感を感じるようになり、2023年にALSの診断を受ける。失意の底に突き落とされるが、自然治癒の症例もあると知り、その可能性に希望を見いだして生きることを決意。現在は「#何処かで誰かの希望となりますように」を合言葉に、これまで考案してきたレシピを記録に残す活動を開始している。
    インスタグラム:@sfsg_masako

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    『天然生活』2025年6月号掲載のまさこさんの記事も公開中です。ぜひ合わせてお読みいただけましたら幸いです。



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