新年のごあいさつ
新しい年が始まりました。
少し遅くなってしまいましたが、皆さま、あけましておめでとうございます。
こうしてまた言葉を届けられることを、心からうれしく思っています。
前回の更新から、ずいぶんと時間が空いてしまいました。楽しみにしてくださっていた方には、本当に申し訳ありません。
体調の波に揺らされながら過ごす日々のなかで、書きたい気持ちはありながらも、言葉を形にする余裕を持てない時期が続いていました。

介護のこと
辛いこと、苦しいこと、悲しいこと。日々のなかで、数えきれないほどあります。病気の進行とともに、介護に頼る割合は確実に増えていきました。
それに比例するように、家族の負担も大きくなり、気づけば、支える側も、支えられる私自身も、お互いに疲弊していく時期がありました。
誰かが悪いわけではないのに、小さな言葉が刺さり、沈黙が重くのしかかる。
「大丈夫? ごめんね」と「もう無理かもしれない。このまま生きていていいのかな」の間を、行ったり来たりしながら過ごす日々でした。

介護は、想像以上に難しいものです。手を借りる側も、差し出す側も、どちらもが傷つかない形を探し続けなければならない。
正解はなくて、迷いながら、立ち止まりながら、それでも一緒に生きていく方法を探していく。それが、今の私が考える、在宅における「介護」の形です。
あるとき、「いちばん辛いことは何だろう」と自分に問いかけてみました。その答えは、思っていたものとは違いました。
私にとっていちばん辛かったのは、自分が病気になったことそのものではなく、『大切な人を苦しめてしまったこと』だったのです。
そう気づいた瞬間、心の中に優先順位が生まれました。何にいちばん胸が痛むのかが分かったことで、少しだけ、呼吸が楽になりました。
小さな幸せ

最近、ほんのわずかな変化に気づくようになりました。
うまくいかない日があっても、翌日にはまた、家族で同じ食卓を囲んでいること。
言葉が足りなくても、そばにいるだけで伝わる安心があること。
介護の毎日は、決して明るいことばかりではありません。
それでも、今日を一緒にやり過ごせたという事実が、明日へつながる小さな希望になる。
いまは、この小さな幸せをかみ締めながら、暮らしています。
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▼天然生活web「難病ALSとともに生きる」
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▼2026年3月21日に、待望のレシピ本が発売!
4才と12才の子の母であり、シェフのまさこさん。3年前、難病ALSだと診断を受けました。治療法が確立されていない進行性の病気です。
「子どもたちに”母の味”を残したい」
病と向き合う著者がそんな願いを胸に綴った、料理が好きな人や、家族を大切に思うすべての人に届けたい胸に深く響くエッセイ&レシピ集です。
〈撮影/いわいあや 協力/田中 文(キッチンパラダイス)〉
まさこ
1981年、喫茶モーニングの街・愛知県豊橋市に生まれる。カフェオーナーだった賢介さんと結婚し、家族で日本と海外を行き来する生活を送った後、2018年に福岡でカフェ「サウンズフード サウンズグッド」をオープン。2021年、長女・琳さんを出産後、足から違和感を感じるようになり、2023年にALSの診断を受ける。失意の底に突き落とされるが、自然治癒の症例もあると知り、その可能性に希望を見いだして生きることを決意。現在は「#何処かで誰かの希望となりますように」を合言葉に、これまで考案してきたレシピを記録に残す活動を開始している。
インスタグラム:@sfsg_masako
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『天然生活』2025年6月号掲載のまさこさんの記事も公開中です。ぜひ合わせてお読みいただけましたら幸いです。










