(『天然生活』2025年6月号掲載)
難病ALSと診断されて
福岡の喫茶店「サウンズフード サウンズグッド」の店主、まさこさん。
ALSと診断された彼女はいま、未来に伝えるレシピをつづっています。
ALSとは
筋萎縮性側索硬化症のこと。神経の障害により、脳から筋肉を動かす命令が伝わらなくなり、筋肉がやせていく難病。一方で、体の感覚や視力、聴力などは保たれることが多い。
前回の記事では、喫茶店の日々からALSの発症、そして、楽しむことや挑戦することを諦めないお話を伺いました。
今回は、支えてくれる家族のこと、そして、つながりのなかで助け合って生きていくことを教えてもらいました。
支えてくれる家族のこと

いつものリビングに家族が集合
現在、まさこさんの日常には、介助者の存在が欠かせません。
夫の賢介さんとともにその役を担っているのが、妹の統子(みちこ)さん。
まさこさんの病気を知ると、すぐに愛知県から福岡へと転居を決め、現在はまさこさん宅の近くで暮らしています。
4人きょうだいのなかでも、「一番の仲良しだった」という、まさこさんと統子さん。
「姉は、小さなころからずっと私のあこがれ。自慢の存在なんです」と、統子さんはやわらかな笑顔でまさこさんへの想いを語ります。
「転居について、友人などからは大きな決断だね、といわれます。でも私にとっては、いつか博多にも暮らしてみたかったし、というくらいの感覚。
『ずっと支えてもらってきたお姉ちゃんのことを、今度は私が支える番なんだ』って、いまも思っています」

統子さんとソファに腰掛け、リラックス。「お姉ちゃんの芯の強さは、昔もいまも変わらないんです」と統子さん
〈撮影/いわいあや 取材・文/玉木美企子 協力/田中 文(キッチンパラダイス)〉
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天然生活2025年6月号と7月号では、福岡にある喫茶店「サウンズフード サウンズグッド」店主のまさこさんを取材しました。
6月号では、ALS発症のことや家族や友人とのつながりのお話などを、7月号では、まさこさんが未来に伝えたいレシピ、そして大切な調味料や道具について教えてもらいました。
ぜひお読みいただけましたら幸いです。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです