• 手づくり暮らし研究家の美濃羽まゆみさんが暮らす築110年以上の京町家。大正時代の水屋箪笥や40年前のラタン家具を、椿油や蝋で手入れしながら大切に使い続けています。ほうきで床を掃いたり、ぬか袋で床を磨いたり、身近な材料を使って気軽にできる、昔ながらの住まいのお手入れについて教えていただきました。

    いまあるものに価値を見出す

    わが家にはこのたんすのほかに、いくつかラタン(籐)の家具を置いています。それらは、夫がひとり暮らしを始めたころ(40年ほど前のことです)購入したもの。

    結婚当初住んでいた借家で使っていたのですが、古びていてガタもきていたので、とりあえず新居に持っていき、いずれ新しいものに買い替えるつもりでいました。

    けれど、築100年の町家に置いてみると、なんだか見違える風合い! 使い込んで飴色になった持ち手や、少し汚れているけれど古く日焼けした表面の素材感が、町家の小さな窓から差し込む光の中では、どこかドラマチックに見えて格好いいのです。

    「古い物にしか出せない得もいわれぬ雰囲気があるんやなあ…」「古い家には古い物こそなじむんやなあ…」と気づきを得たのでした。

    画像: アトリエでも活用しているラタンのかごだんす。裁縫道具をいろいろと収納しています

    アトリエでも活用しているラタンのかごだんす。裁縫道具をいろいろと収納しています

    そこで、捨てるはずだった家具たちを使い続けるためにひと工夫。傷んだ部分はヤスリをかけてきれいにし、滑りの悪い引き出しには水屋箪笥と同じように蝋引きしてみました。

    すると、まだまだじゅうぶん使えそう。それからというもの、新しいものを買う前に、手持ちの物でやりくりできないか、自分で手を入れ工夫できないかと、試すことが習慣になっていきました。

    軽くて丈夫、湿気にも強いラタンの家具はかつて一般的でしたが、工業化が進み安価で丈夫な家具がつくられるようになった現代では、手作業の工程の複雑さや素材の入手が困難になっていることから希少になっているそう。これからも手入れしながら大切に使い続けたいと思います。



    〈写真・文/美濃羽まゆみ 構成/山形恭子〉

    画像: 身近な素材で部屋をきれいに

    美濃羽まゆみ(みのわ・まゆみ)
    服飾作家・手づくり暮らし研究家。京町家で夫、長女ゴン(2007年生まれ)、長男まめぴー(2013年生まれ)、猫2匹と暮らす。細身で肌が敏感な長女に合う服が見つからず、子ども服をつくりはじめたことが服飾作家としてのスタートに。

    現在は洋服制作のほか、メディアへの出演、洋裁学校の講師、ブログやYouTubeでの発信、子どもたちの居場所「くらら庵」の運営参加など、多方面で活躍。著書に『「めんどう」を楽しむ衣食住のレシピノート』(主婦と生活社)amazonで見る 、『FU-KO basics. 感じのいい、大人服』(日本ヴォーグ社)amazonで見る など。

    ブログ:https://fukohm.exblog.jp/
    インスタグラム:@minowa_mayumi
    voicy:FU-KOなまいにちラジオ

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