身近な素材で部屋をきれいに
わが家にはフローリングはなく、床材は無垢の杉板か畳です。
以前住んでいた家はフローリングかリノリウム張りの床のみだったので、掃除機とときどきの拭き掃除のみでしたが、町家に越してきてからは掃除スタイルが一新。
何しろ奥行きが15mもあるうなぎの寝床のため、持っていた掃除機は何度もコードを繋ぎなおさねばならず、掃除機がぶつかるたびに床や柱も傷ついてしまいます。
そこで、掃除は主に「ほうきとはたき+コードレス掃除機」で。ほうきは商店街の荒物屋さんで手に入れた細いほうきモロコシのもの。はたきは竹材屋さんの店先で、一束100円で売られていた竹棒の端に、自分で裂いた布を巻き付けた手製です。

手づくりののはたきには、娘が幼いころに縫ってあげた服地のはぎれを使って。使うたびに思い出がよみがえります
昔ながらのやり方は面倒なようでいて、音が出ないので時間を気にせず作業ができたり、気づいたときにさっと片手で取れて戻せるなどいいことづくめ。
ちなみに、集めたゴミを吸い取るコードレス掃除機は、家電レンタルでいくつか試して使い勝手のいいものを選びました。私はマキタのカプセル式(ライトつきのもの)を長年愛用しています。

頻繁に買い替えることのできない家電は、レンタルして使い心地を確かめてから決めるのもおすすめ。マキタの掃除機は軽くて手入れがしやすく、シンプルな操作性も気に入っています
畳は、ふだんはほうきでさっと掃き、汚れが気になる場合は固く絞った雑巾で拭き掃除。夏場なら、お茶の出し殻を軽く乾かし、水分がほんのり残った状態で畳に撒いてからほうきで掃くと、ほこりを吸い取ってくれる上、カテキンの消臭効果があって気分もすっきりします。
無垢の床材は毎日の掃き掃除に、週に一度の拭き掃除、シーズンに一回は自家製米で出たぬかを使ってぬか袋をつくり、固く絞って拭き上げます。
ぬかから出る油分が床をほんのりコーティングしてくれて、つるつる、さらさらの足触りに。市販のワックスとは違い自然素材なので、小さな子どもや猫たちとの生活空間にも安心して使えます。
紙や木でできている建具は気密性がなく、現代の堅牢な建物と比べると一見頼りなく思えるかもしれません。けれど、住んでいるとその快適さに年々気づくようになりました。
天然素材の家は湿度や光を自然と調節してくれるうえ、住人であるわたしたちが身近な材料で気軽に「手入れ」できるから、暮らしに手応えがあるのです。
それに、たとえ不便なことがあっても考え方ひとつ、工夫ひとつでより良くしていけるかもしれない。そんな可能性を秘めているように思うのです。
昔ながらの家に住まうことは、ときに厳しく、面倒さもあるけれど、ひとたび付き合い方を覚えれば、住む人に自信を与えてくれる、素晴らしい住環境だと思います。
さて次回も引き続き、住まいのお手入れ法をお届けします。次回は「庭まわりのあれこれ」について。お楽しみに!
〈写真・文/美濃羽まゆみ 構成/山形恭子〉

美濃羽まゆみ(みのわ・まゆみ)
服飾作家・手づくり暮らし研究家。京町家で夫、長女ゴン(2007年生まれ)、長男まめぴー(2013年生まれ)、猫2匹と暮らす。細身で肌が敏感な長女に合う服が見つからず、子ども服をつくりはじめたことが服飾作家としてのスタートに。
現在は洋服制作のほか、メディアへの出演、洋裁学校の講師、ブログやYouTubeでの発信、子どもたちの居場所「くらら庵」の運営参加など、多方面で活躍。著書に『「めんどう」を楽しむ衣食住のレシピノート』(主婦と生活社)amazonで見る 、『FU-KO basics. 感じのいい、大人服』(日本ヴォーグ社)amazonで見る など。
ブログ:https://fukohm.exblog.jp/
インスタグラム:@minowa_mayumi
voicy:FU-KOなまいにちラジオ
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