• 介護をしながら仕事や自分らしさを手放さず、28年を歩んできた吉祥寺の人気カフェ店主・横尾光子さん、77歳。彼女の語る言葉が、介護中の人たちの心を軽くすると静かな反響を呼んでいます。今回は、横尾さんを囲むお話会に寄せられた4つの悩みと、横尾さんの回答をお届けします。

    横尾さんのことばの処方箋

    「仕事を辞めるべき?」「ついイライラしてしまう……」。介護のある暮らしには、簡単に割り切れない悩みがつきものです。

    ふさがりがちな心を、ふわりと軽くしてくれるのが、吉祥寺の人気カフェ店主の横尾光子さん、77歳。28年にわたる介護のなかでも、仕事や自分らしい暮らしを手放さずに歩んできました。

    画像: カフェのキッチンに立つ横尾さん。5人の介護が続くなかでも、仕事を手放すことはなかった。「没頭する時間に、私自身がいやされていたんです」 撮影/砂原 文

    カフェのキッチンに立つ横尾さん。5人の介護が続くなかでも、仕事を手放すことはなかった。「没頭する時間に、私自身がいやされていたんです」

    撮影/砂原 文

    そんな彼女の生き方に触れられるお話会が、いま静かな反響を呼んでいます。今回は、そこで寄せられた4つの悩みと横尾さんの回答をピックアップ。

    介護のなかでも「私」をあきらめず、明日を少しラクに生きるための心の処方箋です。

    介護にまつわる4つのお悩みにお答えします

    お悩み01. 働きながら、遠方で暮らす母の介護にどう向き合えばいいですか?

    「長年の夢だったカフェをオープンしました。仕事を続けながら、遠方で暮らす母の介護にどう向き合えばいいのか。その両立に悩んでいます」

    画像: 横尾さん

    横尾さん

    横尾さん:目の前にやりたい仕事があって、できる環境もある。それなら、やっていいというサインだと思いますよ。まず自分の人生を満たさないと、介護は続きません

    毎日ブスッとした顔でお世話をされるより、あなたがはつらつとした表情で、『今日はこんなことがあったの』と楽しそうに話してくれる方が、親としてどれほどうれしいでしょう。

    元気や笑顔って、伝染するものだと思うんです。反対に、あなたが無理をしていることもきっとわかってしまうんじゃないかな。

    だからこそ、自分が幸せだと感じられる時間を、きちんともちましょう。そのうえで、『週に一度は一緒に買い物をする』とか、無理なく続けられる関わり方を見つけていけば、少しずつ自分なりのバランスが見えてくるんじゃないでしょうか。



    〈お話会の写真・文/綾田純子 協力:kitano village(インスタグラム@kitanovillage2015)〉

    横尾光子(よこお・みつこ)
    1948年生まれ。家族の介護と並行しながら、50代未経験で東京・吉祥寺に「お茶とお菓子 横尾」を開業。多くのメディアで紹介される人気店に。現在は島根と東京を行き来しながら、両拠点でカフェを展開。主宰する大人服ブランド「クロロ」では「がんばりすぎないけれど品がある」スタイルを提案する。
    インスタグラム:@yokoomitsuko @ocha_okashi_yokoo_chloro

    訪れた人:
    綾田純子(あやた・すみこ)
    1969年生まれ。編集者・ライター。東京でフリーランスとして、インテリア、旅、ライフスタイルを中心に雑誌や書籍の編集・制作に携わった後、故郷・岡山へ。高齢の両親の介護をしながら活動を続ける中で、介護する人の暮らしにも、好きなものや美しいもの、ユーモアを。そんな思いから、Webマガジン「This Day Magazine(街と、介護と、コーヒーと。)」を立ち上げる。
    note:@thisday_magazine



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