(『天然生活』2014年5月号掲載)
お弁当のカツ
「基本のカツ」のレシピ
お弁当におけるボリュームおかずの代表選手といえば、こちら。嚙み切りやすいように、肉を包丁でたたいておくのが心遣い。
材料(2人分)
● 豚ひれかたまり肉 | 200g |
● 薄力粉 | 大さじ2 |
● 溶き卵 | 1個分 |
● パン粉 | 1カップ |
● 塩、こしょう | 各少々 |
● 揚げ油 | 適量 |
ひと工夫
包丁を寝かせて肉の厚みを半分にするように切り込みを入れ、チーズやマスタードをはさんでも。ソースいらずなのもうれしい。
つくり方
1 豚ひれ肉は2cm厚さに切り、1.5cm程度の厚さになるまで包丁などでたたいてから塩・こしょうする。
2 薄力粉、溶き卵、パン粉の順に衣をつけ、170℃に熱した揚げ油で、きつね色になるまで揚げる。
アレンジ①
牛肉とバジルのカツ
牛肉のうま味と、バジルの香りが少し贅沢。薄切り肉は重ねると肉汁がいっぱいに。
材料とつくり方(2人分)
1 牛もも薄切り肉150~200g(5~6枚)、バジルの葉30gを用意する。まな板に牛肉を1枚広げ、内側に薄力粉を薄くまぶす。上にバジルの葉2~3枚をのせ、さらに肉を1枚のせ、薄力粉をまぶし、バジルの葉を2~3枚のせる。これを4~5回繰り返す(一番上は肉になるように)。
2 1の四隅を押さえて形をととのえ、表面に薄力粉を薄くまぶし、溶き卵1個分、パン粉1カップの順に衣をつける。160℃に熱した揚げ油で揚げ、薄く色づいたら温度を180℃に上げて、きつね色になるまで揚げ、黒こしょう少々をふる。
アレンジ②
豚肉としそのうず巻きカツ
たっぷり巻いたしそが、さわやかな味わい。きつめに巻き上げると、きれいな切り口に。
材料とつくり方(2人分)
1 豚もも薄切り肉4枚(200g)を広げ、それぞれ内側に薄力粉を薄くまぶす。肉1枚につき、しそ2~3枚をのせ、手前から巻く。
2 軽く塩・こしょうし、表面に薄力粉を薄くまぶす。溶き卵1個分、パン粉1カップの順に衣をつけ、170℃に熱した揚げ油で、きつね色になるまで揚げる。
アレンジ③
ささ身とアスパラ巻きカツ
真ん中のアスパラがかわいいポイント。あっさりいただける、ささ身のカツ。
材料とつくり方(2人分)
1 ささ身2本は筋を取り、中央からそぐように観音開きにして厚さを均一にする。アスパラガス2本は根元のかたい部分をのぞき、長さを半分に切る。
2 1のささ身の内側に薄力粉を薄くはたき、アスパラガス2本分を芯にして手前から巻く。表面に薄力粉を薄くまぶし、溶き卵1個分、パン粉1カップの順に衣をつけ、170℃の油で揚げる。
アレンジ④
ハムのカレー風味カツ
どこか懐かしい味わいのハムカツ。カレー粉をまぶして揚げれば、ソースいらず。
材料とつくり方(2人分)
1 厚さ8mmほどのハム1枚を用意し、半分に切る。薄力粉大さじ2にカレー粉小さじ1と1/2を合わせる。
2 1のハムに、カレー粉入り薄力粉を薄くはたき、溶き卵1個分、パン粉1カップの順に衣をつけ、180℃に熱した揚げ油で2分ほど、きつね色になるまで揚げる。
※ ※ ※
「たとえ同じ味つけと素材でも、切り方を変えてみる。または、かたまり肉から薄切り肉にするなど部位を変える。それだけで、かなり印象は変化します。食感の違いも、十分、味の違いになるんです」と、ワタナベさんは話します。
おかずのレパートリーを増やすコツは、一度にがらりと変えて、まったく違うものをつくろうとしないこと。たとえば、から揚げなら素材を替えてとり肉を豚肉にする、あるいは衣に青のりを混ぜたり、あられに替えたりなど、風味をアレンジする。
ひとつずつの工夫を掛け算式に増やしていくことで、おかずのバリエーションは驚くほど広がるのです。
「あとは、“巻く” テクニックを覚えておくと便利です。いつもなら肉と野菜と一緒に炒めるところを、くるりと巻いてみる。見た目もどことなくかわいらしくなりますし、お弁当のおかずとして詰めやすく、さらに汁けも出にくくなるのでおすすめですよ」
また、そろえておきたいのが、風味をつけるものあれこれ。
「青のり、ゆずこしょう、七味に山椒。でき上がりにさっとふりかけるだけでも、“いつもの味” から一歩踏み出せますし、調理の途中でちょっと加えると味わいを底上げする隠し味にもなるので、ぜひ活用してください」
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<料理・スタイリング/ワタナベマキ 撮影/kumonmiwa 取材・文/福山雅美 文字/みつ>
ワタナベマキ(わたなべ・まき)
簡単なのに、美しくキレのよい料理を提案。1年に10冊のペースでレシピ本を出版する。近著は『料理家ワタナベマキが家族のために作るごはん』(主婦と生活社)。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです