(『天然生活』2013年9月号掲載)
季節が変われば、スパイスも変わります
辛いものは少し苦手、だけどカレーは大好き。そんな楽屋さんがつくるカレーは、スパイスの複雑なうま味を味わう、辛さを際立たせないカレーです。
「辛さは好き好きなので。もっと辛くしたい場合、うちでは、おのおのが一味とうがらしを足します」
野菜料理が得意なだけあって、仕上がりはさっぱり、野菜たっぷり。とろみがおいしそうな夏野菜カレーも、ベースをつくってあれば実に簡単です。
スパイスの配合も、決まっているわけではありません。夏は自然と、さわやかな風味のコリアンダーがちょっぴり多めになります。
「味噌汁感覚です。暑いときはさっぱり、冬はこっくりした味噌を使いたくなるような。カレーって、一年中食べたいから、その季節においしい配合でつくるんですよ」
夏野菜カレーのつくり方
基本ベースをつくっておけば、あとは具材を入れるだけ。旬の野菜を、彩りよくいただきます。
材料(4人分)
● 玉ねぎ(薄切り) | 6個 |
● だし汁 | 200ml |
● おくら | 8本 |
● きゅうり | 1本 |
● ミニトマト | 8個 |
● 枝豆(ゆでてさやから外す) | 大さじ4 |
● とうもろこし(実を削る) | 大さじ6 |
● A | |
・ターメリックパウダー、クミンパウダー、カレー粉 | 各小さじ2 |
・コリアンダーパウダー | 小さじ3 |
・塩 | 大さじ1弱 |
● クミンシード | 小さじ1/2 |
● 菜種油 | 大さじ3+大さじ2 |
つくり方
1 〈カレーベースをつくる〉小さなボウルにAを入れてよく混ぜ、水50mlでよく溶く。
2 鍋に油大さじ3をひき、玉ねぎを入れる。最初は強火で炒め、つんとした香りが消えてしんなりしてきたら、だし汁を加えて弱火にし、甘い香りがしてくるまで20~40分、じっくり炒め煮する。
3 2をミキサーにかけ、ペースト状にする。水分が足りないようなら、だし汁(分量外)を足す。
4 3を鍋に戻して、1を加える。スパイスの粉っぽさがなくなるまで弱火で2~3分煮る(カレーベースの完成)。
5 おくらはがくを切り落とし、縦半分に切る。きゅうりはところどころ皮をむき、乱切りにする。ミニトマトはへたを取り、縦半分に切る。
6 別の鍋に油大さじ2とクミンシードを入れ、弱火にかける。香りが立ったら中火にし、おくら、きゅうりと枝豆、とうもろこしを入れて、さっと火をとおす。4のカレーベースを加えて軽く煮込む。味が薄ければ塩(分量外)でととのえる。
7 ミニトマトを加えて、さっと火をとおす。
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<撮影/川村 隆 取材・文/福山雅美>
高橋 林(たかはし・りん)
東京・世田谷の野菜料理店で腕を振るう。食の世界に入ったのは、とあるカレー屋のおいしさに感銘を受け、働いたのがきっかけ。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです