• 天然素材の道具は、手入れをしながら使い込むほどに変化が楽しめる、台所仕事のよき相棒。「大切なのは素材を知ること」と話す「ひとり問屋」で道具のプロの日野明子さんに、素材ごとのお手入れのコツを教わります。今回は、「包丁」のお手入れを。
    (『天然生活』2022年2月号掲載)

    日野さんの愛用道具
    愛用歴10年! 鋼の「包丁」

    画像: 長さ(持ち手含む)30cm

    長さ(持ち手含む)30cm

    旅先でふらっと立ち寄った別府の鍛冶屋さんで手に入れたという包丁。

    「定期的に研ぐ癖をつけるようにしています。ステンレスにはない重さが好きです」

    「包丁」のお手入れ方法

    【鉄の道具について】
    湯を沸かす、油を使う、切ると製法も使い道もさまざまで、それぞれに手入れも異なります。共通の注意点は錆。いい錆と悪い錆を見極めて、悪い錆が出てもしっかり落とせば大丈夫。日頃のお手入れがものをいう素材です。

    水分がついたまま放置しないことが基本の基。だからといって、火で炙るのはNG。鉄の組織を壊してしまうことに。

    「毎日の手入れに加え、切れ味が鈍ったら、研ぐ習慣を。切れ味がいい状態を保つことが、もっとも大事です」

    これはNG

    電子レンジ、食洗機、冷却、金属たわし

    POINT 1:使ったあと
    すすいですぐにしっかりふく

    画像: POINT 1:使ったあと すすいですぐにしっかりふく

    中性洗剤とスポンジで洗い、よくすすいだらすぐにふきんで水けをふき取り、完全に乾かすこと。鋼の錆と、持ち手の木の部分のカビを防ぐためにも徹底したい。

    POINT 2:よくあるトラブル
    錆びたときの対処

    画像: POINT 2:よくあるトラブル 錆びたときの対処

    新聞紙などを敷いた上で、スチールウールのたわしで錆のついた部分をこすり落とす。もしくは水につけたサンドペーパー(粗さは600番程度)で磨くことでも錆を落とせる

    POINT 3:しまうとき
    錆びないための工夫

    画像: POINT 3:しまうとき 錆びないための工夫

    毎日使わない包丁なら、キッチンペーパーにオリーブオイルを染み込ませて刃の部分に塗り、新聞紙に包んでしまっておくと錆を防げる。あれば油紙に包むのもおすすめ。


    <監修/日野明子 撮影/山川修一 取材・文/黒澤 彩 イラスト/はまだなぎさ>

    日野明子(ひの・あきこ)
    スタジオ木瓜代表。つくり手と使い手をつなぐ「ひとり問屋」業のほか、手仕事の道具や器のイベント企画にも携わる。『うつわの手帖』シリーズなど、著書多数。

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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