(『天然生活』2017年7月号掲載)
「グラスで仕立てたゼリーやプリンは、キラキラ輝く宝石のよう。見た目はもちろん、簡単につくれるのも魅力です」と、飯塚さん。
グラスを用いると、型抜きのもののように保型のために固めなくていいので、ゼラチンが少量でも大丈夫。だから、口あたりのよい、ふるふるとしたなめらかなゼリーやプリンに仕立てることができるのです。
また、失敗しがちな型抜きや、プリンなら湯せんして固める必要もなく、簡単にきれいにできるのもうれしいメリット。
おいしくつくるコツは、ゼラチンの扱い。
水とよく混ぜ、冷蔵庫でしっかりとふやかすことで、仕上がりの舌触りがぐんと増すのです。このとき、お湯を使うとゼラチン特有のにおいが残ってしまうので注意して。
また、口に入れた瞬間、スッと溶けるのがゼラチンでつくるお菓子の醍醐味。体温ほどの熱で溶ける性質ならではです。
「フルーツの酸味もさわやかなゼリーやプリンは、夏にぴったり。旬の時季のおいしいフルーツをふんだんに使って、家庭で贅沢に楽しんでいただけたら。お好みのグラスでつくってみてくださいね」
ぶどうのシャンパンゼリーのつくり方
ぶどう果汁があふれるシャンパンゼリーは、さわやかな大人の味わい。シュワシュワに泡立てたゼリーは、シャンパンのように口中で弾けます。
材料(100mlのグラス5個分)
● ぶどう(皮をむいて種を取る) | 小20粒 |
● シャンパン(またはスパークリングワイン、白ワイン) | 200ml |
● 粉ゼラチン | 5g |
● 水 | 25ml+200ml |
● グラニュー糖 | 70g |
つくり方
1 粉ゼラチンに水25mlを加えてよく混ぜ合わせ、冷蔵庫で30分ほどふやかしておく。
2 鍋にシャンパン、水200ml、グラニュー糖を入れて火にかける。
3 沸騰したら火を止め、1をちぎり入れて溶かす(*)。
4 3をこしながら別のボウルに移す。100mlを別のボウルに取り分けておく。
5 4は氷水に当てて粗熱を取り、少しとろみがつくまで冷やす。
6 グラスにぶどうを入れて5を流し、冷蔵庫で2時間ほど冷やし固める。
7 取り分けておいた4を泡立て器で泡立てて、6にのせる。急いで冷凍庫に入れて30分ほど冷やし固めたら、冷蔵庫に移す。
*ゼラチンは水でふやかして
ゼラチンは、お湯ではなく、必ず水でしっかりとふやかす。分量の粉ゼラチンに水を加えてよく混ぜ合わせ、冷蔵庫で30分ほどふやかすと写真のようにぷるんとした状態になる。ふやかしたゼラチンを溶かすときには、手でちぎって鍋に入れ、溶け残りのないように。
〈料理・スタイリング/飯塚有紀子 撮影/砂原 文 取材・文/花沢理恵〉
飯塚有紀子(いいづか・ゆきこ)
料理研究家 。2000年から20年間、お菓子教室「un pur…(アンピュール)」にて、暮らしのなかでつくるお菓子を提案。現在は、家でつくって美味しく食べる暮らしのレシピサイト<eat at home>を主宰。家でつくる楽しみ、みんなで美味しく食べる時間、食材について知ること、食を通して季節を感じる日々、保存食や発酵食など食材を慈しみ長くいただく知恵……それらの大切さを感じられる、さまざまな暮らしのなかのレシピを伝えている。著書は『やさしいお菓子』『やさしい果物のお菓子』(ともに、雷鳥社)、『いつでもおやつ』(NHK出版)など多数。
https://www.eat-at-home.jp/
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです