(『天然生活』2017年7月号掲載)
グレープフルーツプリンのつくり方
ゼラチンを使って仕上げたプルンと弾む食感に、果肉のみずみずしさ。カラメルとグレープフルーツのビターなハーモニーが楽しめる、夏向きプリン。
材料(100mlの容器6個分)
● グレープフルーツ | 2個 |
● グラニュー糖 | 10g+80g |
● 牛乳 | 200ml |
● 粉ゼラチン | 5g |
● 水 | 25ml |
● 卵 | 2個 |
● 生クリーム | 200ml |
〈キャラメルソース〉 | |
・グラニュー糖 | 60g |
・熱湯 | 50ml |
つくり方
1 〈キャラメルソースをつくる〉鍋にグラニュー糖を入れて中火にかけ、鍋を揺すりながら溶かし、半分くらい溶けたらへらでかき混ぜる。全体がカラメル色になったら火を止め、熱湯を少しずつ加える。そのまま3分ほど中火にかけたら火を止め、別の容器に移して冷ます。※湯がぬるいとカラメルがはねて危ないので、かならず熱湯を注ぐ。
2 グレープフルーツは皮をむき、実を取り出す。グラニュー糖10gと合わせ、冷蔵庫で冷やしておく。
3 鍋に牛乳を入れ、グレープフルーツのワタ(皮の白いところ2個分)をナイフでそぎ取って加える。そのまま1時間ほどおき、グレープフルーツの苦味を移す。
4 粉ゼラチンに水を加えてよく混ぜ合わせ、冷蔵庫で30分ほどふやかしておく。
5 ボウルに卵を溶きほぐし、グラニュー糖80gを加えて泡立て器でよくすり混ぜる。
6 3を中火にかけ、鍋肌がフツフツとしてきたら、ごく弱火にして1分ほど煮る。火を止めて、グレープフルーツのワタを取り出す。
7 5を6の鍋に加えて混ぜ合わせ、生クリームも加える。ごく弱火にかけて1分ほど混ぜながら、軽くとろみをつける。火を止め、4をちぎり入れて溶かす(*)。
8 7をこしながらボウルに移し、氷水に当てて粗熱を取る。
9 グラスに流し、冷蔵庫で2時間ほど冷やし固める。仕上げに、1を流し、2を飾る。
*ゼラチンは水でふやかして
ゼラチンは、お湯ではなく、必ず水でしっかりとふやかす。分量の粉ゼラチンに水を加えてよく混ぜ合わせ、冷蔵庫で30分ほどふやかすと写真のようにぷるんとした状態になる。ふやかしたゼラチンを溶かすときには、手でちぎって鍋に入れ、溶け残りのないように。
◇ ◇ ◇
「グラスで仕立てたゼリーやプリンは、キラキラ輝く宝石のよう。見た目はもちろん、簡単につくれるのも魅力です」と、飯塚さん。
グラスを用いると、型抜きのもののように保型のために固めなくていいので、ゼラチンが少量でも大丈夫。だから、口あたりのよい、ふるふるとしたなめらかなゼリーやプリンに仕立てることができるのです。
また、失敗しがちな型抜きや、プリンなら湯せんして固める必要もなく、簡単にきれいにできるのもうれしいメリット。
おいしくつくるコツは、ゼラチンの扱い。
水とよく混ぜ、冷蔵庫でしっかりとふやかすことで、仕上がりの舌触りがぐんと増すのです。このとき、お湯を使うとゼラチン特有のにおいが残ってしまうので注意して。
また、口に入れた瞬間、スッと溶けるのがゼラチンでつくるお菓子の醍醐味。体温ほどの熱で溶ける性質ならではです。
「フルーツの酸味もさわやかなゼリーやプリンは、夏にぴったり。旬の時季のおいしいフルーツをふんだんに使って、家庭で贅沢に楽しんでいただけたら。お好みのグラスでつくってみてくださいね」
〈料理・スタイリング/飯塚有紀子 撮影/砂原 文 取材・文/花沢理恵〉
飯塚有紀子(いいづか・ゆきこ)
料理研究家 。2000年から20年間、お菓子教室「un pur…(アンピュール)」にて、暮らしのなかでつくるお菓子を提案。現在は、家でつくって美味しく食べる暮らしのレシピサイト<eat at home>を主宰。家でつくる楽しみ、みんなで美味しく食べる時間、食材について知ること、食を通して季節を感じる日々、保存食や発酵食など食材を慈しみ長くいただく知恵……それらの大切さを感じられる、さまざまな暮らしのなかのレシピを伝えている。著書は『やさしいお菓子』『やさしい果物のお菓子』(ともに、雷鳥社)、『いつでもおやつ』(NHK出版)など多数。
https://www.eat-at-home.jp/
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです