• 衣食住、そのすべてに草を取り入れて、沖縄で “草生活” を楽しんでいる、かわしまようこさん。今回は、草を利用した心と体を癒す楽しみ方を。草から広がる、彩り豊かな暮らしを紹介します。
    (『天然生活』2016年8月号掲載)

    上の写真)
    水を張った鍋に草を入れて弱火で約5分、煮出した抽出液で足湯を楽しむ。おすすめはヨモギやスギナ、ビワの葉など。若葉より大人の葉を使うほうが、薬効が高い

    草で心と体を癒す

    画像: 草は、根っこを残して摘む。花の開き具合をよく見て、草の柔らかさや感触などを指先で感じながら一枚ずつ、ていねいに

    草は、根っこを残して摘む。花の開き具合をよく見て、草の柔らかさや感触などを指先で感じながら一枚ずつ、ていねいに

    かわしまさんの暮らしぶりを拝見すると、草花がそっと寄り添い、知恵や、彩りを与えているのがよくわかります。

    「草は、花として飾れば可憐に映り、ときには薬にもなり、野菜にもなる。日本では雑草と呼ばれてしまう草でも、知らないだけで、外国では薬草や食材として売られていることもあるんですよ」

    画像: 花器を買ったことはない。使わなくなったごみでさえ花器に見立てるのが、かわしまさんの得意とするところ。お弁当に付いているプラスチックのしょうゆ入れも、こんな愛らしいアクセサリーに

    花器を買ったことはない。使わなくなったごみでさえ花器に見立てるのが、かわしまさんの得意とするところ。お弁当に付いているプラスチックのしょうゆ入れも、こんな愛らしいアクセサリーに

    画像: 細くて巻きやすいつる性のカニクサをベースに、黄色のヤブガラシ、紫色のウスベニニガナで飾りつけた草花のブレスレット

    細くて巻きやすいつる性のカニクサをベースに、黄色のヤブガラシ、紫色のウスベニニガナで飾りつけた草花のブレスレット

    画像: 清涼飲料水の空き瓶を再利用した、手づくりの吊り下げ花瓶。バランスを意識して、アメリカハマグルマとシナガワハギを組み合わせて飾っている

    清涼飲料水の空き瓶を再利用した、手づくりの吊り下げ花瓶。バランスを意識して、アメリカハマグルマとシナガワハギを組み合わせて飾っている

    ご自宅で、たんぽぽの葉のお茶をいただいていると、「足湯も試してみて」と、台所から、かわしまさんの声が聞こえてきました。

    「ぬるくなったら差し湯をして。じんわり、おなかのあたりが温まるまでつかってね」と、たらいに入った薬草湯に足をつけると、清涼感のある香りが部屋に広がり、驚くほど早く、体が芯から温まってきました。

    とても簡単で、すぐにでもまねできそうな楽しみ方です。

    「煮出したものを多めにつくって、お風呂に入れると、草風呂にもなります。ヨモギや月桃、スギナを煎じた汁は、タオルにふくませて、顔をぬぐってみて。石けんがなくても、さっぱりしますよ」

    画像: ヨモギを煮出しただけの、簡単手づくり化粧水。冷蔵庫で保存して(期間は1~2週間)、洗顔後にシュッと吹きかけるだけ

    ヨモギを煮出しただけの、簡単手づくり化粧水。冷蔵庫で保存して(期間は1~2週間)、洗顔後にシュッと吹きかけるだけ

     

    ※草を採取する場合は土地の所有者の許諾を受け、農薬などに注意してください。




    〈撮影/大沼ショージ 取材・文/大野麻里〉

    かわしまようこ
    草花作家。自身を「雑草応援団長」と名づけ、草花のよさを広める活動をする。2000年から雑草にまつわる活動を開始。現在は、沖縄を拠点に教室やワークショップの開催、執筆活動などを行う。著書に『草と暮らす:こころと体を整える雑草レシピ』(誠文堂新光社)、『道ばたに咲く』がある。「天然生活web」にて「自然ごはん」を連載中。

    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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