(『天然生活』2022年2月号掲載)
日野さんの愛用道具
ごはんがおいしい、司製樽の「おひつ」
「土鍋で炊いたごはんの仕上げは、おひつに移すこと。これがあれば冷やごはんもおいしく食べられますよ」(日野さん)。
3合サイズを愛用。司製樽では修理もしてくれる。
「おひつ」のお手入れ方法
【木の道具について】
木の種類によって、柔らかい、固い、ヤニがある、反りやすいなど性質はさまざまですが、水けをよく切ってカビを防ぐのは同じ。ただ、直射日光に当てて極端に乾燥させることは避けましょう。しみや多少の汚れはなじんできた証です。
ごはんの水分を調整してくれるおひつ。
「木が呼吸をしていて、湿度の変化によって多少の伸び縮みがあることを念頭に。竹や金属の留め具「箍(たが)」が外れることも。桶は直して使うもの。箍が外れたら、つくり手に戻して、直しながら使いましょう」
これはNG
電子レンジ、食洗機、金属たわし、天日干し、冷蔵庫
POINT 1:使い始め
水を張って酢を入れる
木の強い香りを和らげるために、軽くすすいでから水をいっぱいに張り、お酢を大さじ4程度入れ、1〜2時間おく。水を捨てて今度はしっかりすすぎ、ふいて乾かす。
POINT 2:使ったあと
たわしで洗う
日々の手入れは水かぬるま湯で洗うだけで、洗剤は不要。たわしを使ってこすり洗いすれば十分だが、汚れが落ちないときはクレンザーを使っても。金属のたわしは避ける。
POINT 3:使ったあと
しっかり完全に乾かす
洗ってすぐにふき、風通しのいい場所でしっかり乾かす。完全に乾いたことを確認してからふたをすること。しまい込まなくてもすむような、置き場所を選びたい。
<監修/日野明子 撮影/山川修一 取材・文/黒澤 彩 イラスト/はまだなぎさ>
日野明子(ひの・あきこ)
スタジオ木瓜代表。つくり手と使い手をつなぐ「ひとり問屋」業のほか、手仕事の道具や器のイベント企画にも携わる。『うつわの手帖』シリーズなど、著書多数。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです