(『天然生活』2020年2月号掲載)
「気」をつくり出して、体にバリアを張る
薬膳・発酵料理家の山田奈美さんに、「気」をつくり出して風邪を予防する、‟一汁一菜”の薬膳レシピを教えていただきました。
体にバリアを張るような役目をする「衛気(えき)」を強化するため、気をつくり出す食材をしっかり摂りましょう。
山いも類、きのこ類はその代表格。小さな一品として重宝するぬか床にも、アボカド、にんじんなど気をつくり出す素材を漬けておくとよいでしょう。
「気」をつくり出す食材
〈一汁〉「きのこ汁」のつくり方
複数のきのこを組み合わせ、気もうま味も十分。
豆味噌の独特の香味で奥行きを感じさせる一杯に。
材料(2人分)
● きのこ(※) | 100g |
● だし汁 | 280mL |
● 豆味噌 | 大さじ1と1/2 |
● 三つ葉(またはねぎ) | 適量 |
※ しいたけ、まいたけ、しめじ、えのきだけなど合わせて
つくり方
1 きのこはすべて石づきを取る。しいたけは軸をかさから切り離して細く裂き、かさは薄切りにする。まいたけ、しめじは食べやすい大きさにほぐし、えのきだけは長さを半分に切る。
2 鍋にだし汁、1を入れて中火にかけ、沸騰したら弱火にして味噌を溶き入れる。
3 器に盛り、三つ葉を散らす。
〈一菜〉「長いもとさばの炊き込みごはん」のつくり方
気をつくり出す長いもを厚めに切り、焼いたさばとともにごはんに。
だしと塩のみの味つけでも、豊かな味わいになります。
材料(2~3人分)
● 長いも | 5cm |
● さば | 半身1切れ |
● 米 | 2合 |
● しょうが(みじん切り) | 1/2片分(5g) |
● だし汁 | 350mL |
● 塩 | 小さじ1弱 |
つくり方
1 米は洗って30分以上浸水しておく。
2 長いもは1cmの厚さの半月切りにする。
3 さばは塩少々(分量外)をふってしばらくおく。出た水けをふき、魚焼きグリルで香ばしく焼く。
4 米の水けをきって炊飯器に入れ、2、3、しょうが、だし汁、塩を加えて炊く(土鍋の場合は、ふたをして強火にかけ、沸騰したら弱火にして8分ほど炊く)。
5 10分ほど蒸らし、さばの骨を取って身を粗くほぐし、さっくりと混ぜ合わせる。
* * *
▼山田奈美さん「冬の薬膳 一汁一菜」そのほかの記事はこちら▼
冬の体を整える「和食薬膳」のお話 >>
体を潤す「かきとほうれんそうの豆乳スープ」と「かぶとにんじんとりんごのマリネ」 >>
体を温める「長ねぎとしょうがの黒酢スープ」と「鶏手羽のスパイス煮込み」 >>
〈料理/山田奈美 撮影/有賀 傑 スタイリング/阿部まゆこ 取材文/保田さえ子〉
山田奈美(やまだなみ)
国際中医薬膳師。「食べごと研究所」主宰。和食薬膳や発酵食品の教室を開く。著書に『季節のからだを整える おやこの薬膳ごはん』(クレヨンハウス)など。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです