(『天然生活』2017年7月号掲載、『天然生活web』初出2020年8月30日)
グラスでつくるからゼラチンは少量でOK
旬のおいしさを閉じ込めた、ふるふる食感のゼリー
「グラスで仕立てたゼリーはキラキラ輝く宝石のよう。見た目はもちろん、簡単につくれるのも魅力です」と、飯塚さん。
グラスを用いると固めなくていいので、ゼラチンが少量でも大丈夫。
だから、口あたりのよい、ふるふるとしたなめらかなゼリーに仕立てることができるのです。
また、失敗しがちな型抜きの必要もなく、簡単にきれいにできるのもうれしいメリットです。
おいしくつくるコツは、ゼラチンの扱い。
水とよく混ぜ、冷蔵庫でしっかりとふやかすことで、仕上がりの舌触りがぐんと増すのです。
このとき、お湯を使うとゼラチン特有のにおいが残ってしまうので注意して。
口に入れた瞬間、スッと溶けるのがゼラチンでつくるお菓子の醍醐味。体温ほどの熱で溶ける性質ならではです。
「フルーツの酸味もさわやかなゼリーは夏にぴったり。旬の時季のおいしいフルーツをふんだんに使って、家庭で贅沢に楽しんでいただけたら。お好みのグラスでつくってみてくださいね」
桃のコンポートゼリーのつくり方

みずみずしい果実を丸ごと閉じ込められるのがコンポートゼリーの醍醐味。
フレッシュな桃を使うのがおすすめですが、缶詰でもおいしくつくれます。
材料(120mLのグラス4個分)
● 桃 | 2個 |
● 粉ゼラチン | 5g |
● 水 | 25mL+250mL |
● グラニュー糖 | 100g |
● レモンの輪切り | 1枚 |
つくり方
1 粉ゼラチンに水25mLを加えてよく混ぜ合わせ、冷蔵庫で30分ほどふやかしておく。
2 小鍋に水250mLとグラニュー糖を入れて中火にかける。
3 桃は皮をむいて種を取り、食べやすい大きさに切る。
4 2が沸騰したら弱火にし、3とレモンの輪切りを加える。
5 再び沸騰したら火を止める。レモンの輪切りを取り出し、1をちぎり入れて溶かす(*)。
6 グラスに桃を入れて5をこしながら流す。冷蔵庫で2時間ほど冷やし固める。
*ゼラチンは水でふやかして
ゼラチンは、お湯ではなく、必ず水でしっかりとふやかす。
分量の粉ゼラチンに水を加えてよく混ぜ合わせ、冷蔵庫で30分ほどふやかすと、写真のようにぷるんとした状態になる。
ふやかしたゼラチンを溶かすときには、手でちぎって鍋に入れ、溶け残りのないように。

〈料理・スタイリング/飯塚有紀子 撮影/砂原 文 取材・文/花沢理恵〉
飯塚有紀子(いいづか・ゆきこ)
料理研究家 。2000年から20年間、お菓子教室「un pur…(アンピュール)」にて、暮らしのなかでつくるお菓子を提案。現在は、家でつくって美味しく食べる暮らしのレシピサイト<eat at home>を主宰。家でつくる楽しみ、みんなで美味しく食べる時間、食材について知ること、食を通して季節を感じる日々、保存食や発酵食など食材を慈しみ長くいただく知恵……それらの大切さを感じられる、さまざまな暮らしのなかのレシピを伝えている。著書は『やさしいお菓子』『やさしい果物のお菓子』(ともに、雷鳥社)、『いつでもおやつ』(NHK出版)など多数。
https://www.eat-at-home.jp/
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです
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天然生活2025年9月号の巻頭では、スイカのゼリーや桃の水ようかん、和柑橘のシャーベットなど、本間節子さんの冷たいスイーツの特集をしています。
ぜひ合わせてお楽しみいただけましたら幸いです。