(『天然生活』2024年11月号掲載)
疲れている女性のための、もっと元気になれる休み方
「女性は家でも家族の世話や家事などの労働をしていて、心と体をしっかり休められていません」と話すのは、日本リカバリー協会代表理事・片野秀樹さん。
休み方が下手といわれる日本人ですが、とくに女性は約8割が疲れを感じており(※)より深刻な状況です。
※一般社団法人日本リカバリー協会調べ。
私たちは日常的に疲労の原因となる、さまざまなストレスにさらされています。
通常はそれらを「ストレス耐性」によってバランスを維持していますが、過度なストレスを感じたりストレスが長期化すると、そのダメージが疲労として蓄積してしまうのです。
さらに私たちの脳は、疲労感を覆い隠して「疲れている」と感じさせないという働きもします。その結果、疲れを自覚できなくなるということが起きているのです。
「“疲労”とは、体を動かす、頭を使うなどの結果、本来の活動能力が低下した状態です。そのときに感じるだるさなどの不快感が“疲労感”です。疲労感を放っておくと、慢性疲労やうつ状態などの不調を引き起こす危険性があります」
肩こりや目の疲れ、寝つきが悪いなどは、疲労の初期サイン。このようなサインを見逃さずに早めに休むことが大切です。
「疲労は、ためこまないことが一番。早めに頭や体を休ませると、低下した活動能力を回復しやすくなります」
「休むのは、なまけているようで......」と気が引ける人も少なくありません。
しかし、自分の心と体を守って、元気に毎日を過ごすためにも、意識的に休むことを日常に取り入れたいですね。
疲労とは?
体を動かしたり頭を使ったりすることで、本来の活動能力が低下している状態
疲労を放置しておくと慢性疲労となり、慢性疲労症候群という病気になることも。
休むとは?
低下した活動能力を回復させること
100%回復することが理想だが、日本の女性の多くは回復しきれていないまま、慢性的に疲労している。
<監修/片野秀樹 取材・文/工藤千秋 イラスト/ホリベクミコ>
片野秀樹(かたの・ひでき)
医学博士・一般社団法人日本リカバリー協会代表理事。同協会では休養に関する社会の不理解の解消やリテラシー向上を目指し啓発活動に取り組む。株式会社ベネクス執行役員、博慈会老人病研究所客員研究員、日本未病総合研究所未病公認講師(休養学)。著書に『あなたを疲れから救う 休養学』(東洋経済新報社)など。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです