• 疲れに気づかないまま、ふだん通りに動いていると、疲れがどんどん蓄積し、心や体が不調に。上手な休み方を取り入れましょう。今回は、医学博士・一般社団法人日本リカバリー協会代表理事の片野秀樹さんに、軽い運動をする「生理的休養」を教わります。
    (『天然生活』2024年11月号掲載)

    休むには入浴もおすすめ

    画像: 休むには入浴もおすすめ

    入浴は『生理的休養』の〈運動タイプ〉にあたります。疲れた日に「お風呂に入ってゆっくりしたい」というのは、理にかなった行動なのです。

    お風呂に入ると血行がよくなり、老廃物が体の外に排出。そのおかげで酸素と栄養が体のすみずみにいきわたり、疲れを解消してくれます」

    さらに、お湯に浸かったときの水圧も疲労回復に大きな効果があります。

    「お湯に浸かると、体には350㎏もの水圧がかかります。水圧でぎゅっと圧迫されることで、足のつま先など血液やリンパが滞りやすい部分にたまっていた老廃物が心臓に運ばれます」

    本来、このような血液のポンプの働きは、「第二の心臓」といわれるふくらはぎの役目です。

    しかし、筋肉は午後になると疲れてしまうので、ふくらはぎポンプとしての働きも弱まってしまうことに。

    十分に老廃物を心臓に戻せなくなります。夜、お風呂に入ってお湯に浸かることは、ふくらはぎの働きをカバーすることになります。

    お湯の温度は自分の好みでいいのですが、夜の入浴では眠りを妨げない工夫が必要。

    40℃のお湯に15分、もしくは38℃程度のぬるめのお湯にゆっくり浸かります。副交感神経が優位になり、眠りやすくなります。

    疲れをとる効果がある温泉成分の入った入浴剤も便利です。

    好みの入浴剤をそろえて、その日の気分で楽しんでみるといいですね。



    <監修/片野秀樹 取材・文/工藤千秋 イラスト/ホリベクミコ>

    片野秀樹(かたの・ひでき)
    医学博士・一般社団法人日本リカバリー協会代表理事。同協会では休養に関する社会の不理解の解消やリテラシー向上を目指し啓発活動に取り組む。株式会社ベネクス執行役員、博慈会老人病研究所客員研究員、日本未病総合研究所未病公認講師(休養学)。著書に『あなたを疲れから救う 休養学』(東洋経済新報社)など。

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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