(『天然生活』2022年2月号掲載)
日野さんの愛用道具
愛用歴12年! 成田理俊さんの「フライパン」
鉄を叩いて成形する「鍛金」の技法で手づくりされたもの。
「鉄なのに軽くて扱いやすい。サイズ感、火の通りなど、ご自身も料理をする成田さん作だからこその使い心地です」
「フライパン」のお手入れ方法
【鉄の道具について】
湯を沸かす、油を使う、切ると製法も使い道もさまざまで、それぞれに手入れも異なります。共通の注意点は錆。いい錆と悪い錆を見極めて、悪い錆が出てもしっかり落とせば大丈夫。日頃のお手入れがものをいう素材です。
「鉄のフライパンの素材は鍛鉄(たんてつ)と鋳鉄(ちゅうてつ)があります。薄い鍛鉄は熱伝導がよく強火で使うとこげやすいので、油をたっぷり使うか、弱火〜中火で調理しましょう」
トマトのように酸の強い食材を炒めたあと放置すると、腐食の原因に。
これはNG
電子レンジ、食洗機、冷却
POINT 1:使いはじめ
野菜くずを炒めて慣らす
錆防止のニスなどが塗られている場合は、最初に空焼きして塗料を焼き切る。その後、油を慣らすために野菜くずを入れて2〜3分炒める。油を使って料理することが錆止めにもなる。
POINT 2:使ったあと
洗ったあと、水けを飛ばす
使用後は、素手で触れるくらいまで冷めてから、スポンジやたわしで水洗いする。油分を残すぐらいのつもりで、洗剤は使わない。よくすすぎ、弱火〜中火にかけて水けを完全に飛ばす。
POINT 3:よくあるトラブル
錆びたときの対処
お手入れしているつもりでも、錆が出てしまうことも。錆が出たら金属たわしでこそげ落とし、すすいでから火にかけて水分を飛ばす。野菜くずを炒めて油を慣らしてから使うこと。
<監修/日野明子 撮影/山川修一 取材・文/黒澤 彩 イラスト/はまだなぎさ>
日野明子(ひの・あきこ)
スタジオ木瓜代表。つくり手と使い手をつなぐ「ひとり問屋」業のほか、手仕事の道具や器のイベント企画にも携わる。『うつわの手帖』シリーズなど、著書多数。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです